野帳 [2025/03/07,10:18:20]
散歩の途中、いろいろ用事を思い出し、駅まで出張ってきた。久しぶりに文房具でも見ようとロフトにも寄ると、コクヨの定番ノート、「野帳手帳」が売っていた。あの胸ポケットにすっぽり収まる、硬い表紙の手帳だ。1冊の値段は280円、相変わらず安いなあ、と懐かしさもあいまって10冊を「大人買い」してしまった。文房具屋でこの手帳を見かけることは、ほとんどない。山歩きをするので、アウトドアにはこの手帳が役立つことを知っているのだが、実はずっと「野鳥手帳」だと思っていたのだが、正式な名称は「測量野帳」だった。野鳥ではなく野帳だ。家に帰ってネットで調べて、さらに驚いた。アマゾンではこの手帳、1冊196円でセール中だった。ロフトは100円も高く売っていたのである。これはいくらなんでもひどい。要するに私が無知で田舎者だけだっただけだが、後味の悪い話だ。店舗が町から消えていくのは、こんなことも原因なのかもしれない。
疲労 [2025/03/06,09:30:24]
年が明けてから毎日バタバタの日々が続いている。いろいろトラブルの続いた2月を乗り切ったが、少し楽になりそうだった3月も、けっきょくはバタバタになりそうだ。経営者として忙しいほうがありがたいのだが、後期高齢者の体力を考えると喜んでばかりもいられない。充実感いっぱいで仕事をしているつもりなのだが、疲労は静かに蓄積されていく一方だ。リラックスるための方法が見つからない。ああ疲れが残ってるな、と朝起きるとき、はっきりわかるのだが、といっても旅行にでも行こうか、という気にならない。旅に出ても夜、ひろち酒を飲むのが面倒なのだ。旅先で酒のない夜をどう過ごすか。といえば本でも読むしかない。だったら家でいつものように本を読緒んでるほうがいい。となってしまうのだ。まったく食えない後期高齢者である。
モノクロ [2025/03/05,09:52:33]
テレビタレントで好感が持てるのは芦田愛菜だが、天才子役といわれる昔の作品は見たことがない。見たことがないのに「すごかったんだろうな」と想像させる品格や知性が、いまもその雰囲気からうかがえる。名子役といえば小生の年齢では黒澤明作品でおなじみの頭師佳孝だ。あの「赤ひげ」のドロボー小僧役はすごかった。黒澤が気に入って、以後の作品にも使い続けたわけがよくわかる。黒澤作品は何のかんの言いながら、ほとんどを見ている。モノクロ映画時代の作品が圧倒的に私の好みだ。カラーになると大言壮語の見栄っ張り風の「演出」が邪魔くさくなる。演出と相まって色の氾濫が、画面からリアリティをそぎ落としてしまうのだ。その点、黒澤のモノクロは寡黙だ。いや寡黙の中に饒舌がある。白黒の中に過剰な色味があふれているといってもいいかもしれない。頭師もカラー映画になると、なんだか精彩がない、と感じてしまうから不思議だ。色は少ないほどカラフルになるのだ。
「ひと」 [2025/03/04,09:33:33]
朝、新聞を読んでいてびっくり。朝日新聞「ひと」欄に見慣れた顔が映っていた。「震災前後の釜石の〈吞兵衛横丁〉を撮り続けた写真家」佐々木貴範さんの囲み記事が載っていたのだ。この写真集はうちの新刊である。記事には出版社名は載っていないので、今のところ問い合わせ電話などもないが、版元である私たちが記事になることを知らなかったし、著者の佐々木さんからも連絡を受けていなかったから不意打ちだ。でも、こんな喜ばしい不意打ちなら大歓迎。昨今は全国紙に本が紹介されても、それで本が飛ぶように売れる、なんてことはない。でもこの写真集にとって、この記事は大きな意味を持ちそうな気がする。一瞬で眠気の冷めた朝だった。
農業 [2025/03/03,08:53:12]
朝夕、白鳥の北帰行の鳴き声がうるさい。すぐ頭上で鳴いているように聞こえるが、見上げるとX字編隊ははるか上空。ときおり南に向かって飛んでいるグループがいるのは、どうしたわけか。先日、NHKテレビ・日曜討論で「農業問題」をやっていた。思わず最後まで見てしまったのは、生産者代表として大潟村の涌井徹さんが出席していたからだ。いつものように彼一人が、現場からの現実と正論を吐いていて、他を圧倒していた。農業問題は学者や官僚に語らせても一個も実のあるものにはならない。これは常識というか、農業問題の定説だ。涌井氏いわく、農林中金には100兆もの資金があり、その6割を海外投資に回している。このうちの30兆でも国内農家の投資に回してくれれば、日本の農業は変われる……この発言には驚いた。彼の頭の中はもう衛星通信を使ったAIの世界にどっぷりのようだ。農業とAIは、確かに相性がいい、と私も思っている。これからも注視していきたい。
[2025/03/02,11:22:16]
もう10年以上服んでいる便秘薬をやめた。便通が悪いのを苦に服み始めたのだが、便通は毎朝いまは順調だ。なんとなく薬を服む、という生活習慣が怖くなってしまったのだ。これを機に逆流性食道炎の薬・タケキャブ10ミリグラムも2日に1回にしようと思っている。医師から処方されている薬はこれ一つだ。薬に頼る生活はしたくない、というのは老人誰もが思っていることだが、私の年頃になると一人で4,5種の薬は普通だ。幸い血圧がそれほど高くない(といっても140台)。そのため付随する病気からも免れているのかもしれないが、若いころは血圧も高く、痛風持ちの、肥満体質。そこから何とか生活習慣を改善し今の状態に至った。というと健康オタクのようなイメージを持たれるが、特別なことは何もしていない。なんとなく危険なものを避けながら、恐る恐るヨロヨロと歩いてきたら、結果、若いころの病気が消えていた、というのが正直な話だ。このまま5年ぐらいは、異変なく過ぎてほしいが、ちょっと欲張りな願望かもしれない。
好天 [2025/03/01,09:36:15]
今日から3月だ。月日の経つのは早い。もう3日間、いい天気が続いている。雪国の人間はこれだけで「なにか嫌なことが…」と勘ぐってしまう。それほど青空には臆病なのだ。「もう春だよねえ」とはまず絶対にならないところがミソだ。すっかり春だと信じていた4月や5月に、大雪が降ってとんでもない目に何度もあっている。3月の好天と春は何の関係もない、と経験的に分かっているのだ。とはいえ心の隅っこでは「春が近い…かも」と微妙な期待も脳裏にちらつかせている。「ちらり」とはいえ春の気配が立ち込めると、一瞬で冬は忌まわしい黒歴史のような存在に変わる。ちょっとかわいそうなのだが、それが現実だ。というわけで好天だが、まだ春ではない。春に似た冬でしかない。といっておこうか。
面積 [2025/02/28,09:24:21]
大船渡の山林火災の焼失面積は東京ドーム128個分だという。頭の中でその広さはイメージしてみるが、よくわからない。マスコミが基準にする東京ドームの大きさは4・7ヘクタール。230メートル×230メートルの大きさだ。ということは600ヘクタールほどの焼失面積になる。小・中学校のグランドの大きさは約1ヘクタールほどだ。あのグランドが600面消えた、といわれると、なんとなく広さのイメージがわく。同じ日TVで「20代で移住し30アールのレモン農園主になった」というクレジットがあった。30アールというのは90坪のことだ。我が家の敷地は110坪、この中に家と事務所と倉庫が建っている。この程度の農園で、はたしてちゃんと食べていけるものなのか疑問だ。「30アールの農園主」という文字からは具体的な広さがわからない。だからこんな表現で、なんとなくぼやかしているのだろう。90坪の農園、といわれると、なんだかちょっと身もふたもない。
チーズ [2025/02/27,10:07:38]
もう2月も終わり。あいもかわらず「ゆとり」がない日々が続く。いろんなことが予定通りに進まずにイライラ。でもこれは「仕事が立て込んでいる」という背景事情があるせいだから、基本的には悪いことではない、ともいえる。ヒマなくせに、ことがスムースに運ばないというのが最低なのだ。このところ夕食が楽しみだ。先日、秋田に遊びに来た神戸の友人夫妻から、そのお礼にと豪勢なチーズの詰め合わせセットが贈られてきた。どのチーズもうまい。多分高価なものなのだろう。チーズとワインいっぱいで、もう十分腹がくちくなる。手をかけた食品は少量でも満足感を与えてくれる。しばらくはチーズの日々が続きそうだ。
ゆとり [2025/02/26,09:40:46]
書きたいことは「いろいろ」ある。でも精神的なゆとりがない。じっくりとテーマに向き合って整理してからこのコーナーは書きたい、といつも思っている。その日のイメージをそのままの勢いで活字にしたい。でもその余裕がない。やることが「目詰まり」している状態で、冷静に書き続ける自信がないのだ。思い出話や読んだ本のこと、引っかかっていた問題の解決法や小さな日常の中の驚き……書きたいことはキリがないほど溜まっているのだが、じっくり、そうしたテーマと向き合っている余裕がない。午前中にある著者に長い手紙を書かなければならない。昼はちょっと手の込んだ料理を作って食べるつもり。午後からはブックデザインの人と打ち合わせがあり、夕方は月一回の家族食事会。それらの合間に自分の、何本かの原稿を見直して追記する作業が残っている。能力ある人なら鼻歌まじりで片づけてしまえるのだろうが、モウロク・ジジィにそんなフットワークはない。まいったねどうも。

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