ケセン語大辞典 上・下[品切れ]

* 本書は、ケセン語を方言としてではなく、ひとつの独立した言語としてとらえ、その全体像(文字・音韻・音調・文法・語彙・用例)を統一的・総合的に記述したものである。

* ケセン語正書法(ケセン式ローマ字)を用いて音韻(アクセント)を明記し、用言の語幹末子音を明示した。さらに不読文字と音便記号の創出により、漢字仮名まじり文に匹敵する表現力を得ることに成功した。

* 文法は、本書の記述のために考えだされた独創的な実用文法で、音韻と文法構造との不離関係を統一的に記述しているのが特徴である。

* 収録した34.000の語彙すべてに、その語彙が現実に用いられる様々の意味合いや場面を想定した豊富な用例が添えられている。

* 本書には、「ウンツェハァの研究」「シズカ現象」「音調期本則」「補欠型音調」「音調辞」「主音調と従音調」「東北地方における<の>と<が>の使い分け」「<おれ>と<おら>の用法」など、これまでの方言学の世界の定説をくつがえす数々の新発見が含まれている。
山浦玄嗣(やまうらはるつぐ)
1940年東京で生まれ、釜石市、気仙郡越喜来村(現三陸町)に育ち、1951年に同郡盛町(現大船渡市)に移る。
1966年東北大学医学部卒業。71年医学博士。81年東北大学抗酸菌病研究所助教授。84年宮城県で医療法入病院長。
1986年故郷の大舶渡市盛町で山浦医院を開業、現在に至る。
1975年頃からケセン語の研究に没頭、独学でケセン語文法体系を書き上げ、1987年第6回地名研究者大会で「風土研究賞」受賞。
1988年、ケセン語による詩集『ケセンの詩(うだ)』を発刊、1989年、岩手県芸術選奨を受賞。1990年、地方文化振興に尽力し岩手県教育表彰を受賞。著書に『父さんの宝物』『ケセン語入門』『ケセンの詩』『ヒタカミ黄金伝説』などがある。
2000/6/20 朝日新聞文化欄掲載記事

2000/7/14 読売新聞解説欄コラム記事

2000/7/12 河北新報社会面掲載記事

2000/8/20 読売新聞読書欄出版情報

2000/10/15 岩手日報文化賞受賞記事

「毎日婦人」2000年11月号コラム

柴田武東京大学名誉教授推薦のことば


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