東北の本 |
2001年刊− |
昭和東北大凶作
娘身売りと欠食児童
山下 文男(やました ふみお)著 四六判・257頁 定価1800円+税
ISBN 4-89544-259-4 昭和初期の大恐慌と凶作の哀史を、自らの体験と資料を駆使して記録する。あの時代、あの体験を風化しないための一書。
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目次から
プロローグ 「欠食児童世代」
歴史的な飢饉多発地帯
江戸・天明の大飢饉/天保の大飢饉
昭和五年(1930)世界恐慌の直撃
泣く子も地頭もかなわない/失業の大群とホイト(乞食)
昭和六年(1931)凶作の追い打ち
大不況と凶作と「満州事変」/粒々辛苦の甲斐もなく/北海道――辛うじて飢えをしのぐ飢餓地獄/青森県――ワラビの根を掘って食料に/岩手県――茅の野原のような田んぼ/秋田県――収穫皆無地1300町歩
昭和七年(1932)悲惨、娘身売りと欠食児童
売られ行く娘たち/欠食児童全国20万
昭和八年(1933)戦争への道行と三陸大津波
救農事業と「自力更生運動」/地主様と小作農民の悲哀/軍国美談の陰で/厳寒・暁の大津波
昭和九年(1934)ああ、昭和東北大凶作
恨みのやませ(風)/死の東北を救え!
飢餓線上の凶作激甚地を行く
岩手県――深刻な飯米の欠乏/青森県――娘たちを求めて人買い人が横行/秋田県――料金未納で電灯が消されていく/山形県――皮を食用にと裸にされた松の木/宮城県――凶作のうえに養蚕収入激滅の打撃/福島県――野獣対人間の木の実の争奪戦
重荷を背負った娘たち、空腹に泣く子どもたち
「悲しみの身売り列車」/走る食堂車からの恵みのパン/軍事予算に潰された農村救済
エピローグ 「一日ニ玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲ」
資料「南部盛岡藩〜岩手県の凶作・飢饉年表」/参考資料と文献・写真の出典一覧 |