2024/11/15

●ノーベル文学賞を受賞した韓国の作家ハン・ガン氏の著作の多くが、当センター扱いの韓国書の出版を主にする「クオン」という版元から出ています。設立時にどこの取次とも取引きがなかったことで、当社扱いとなり14年ほどになります。品切だった、その作品群が、やっと再版となりました。まず代表作として紹介されることの多い、きむふな訳「菜食主義者」2,200円(2011年4月初版、ISBN978-4-904855-02-7)と井出俊作訳「少年が来る」2,500円(16年10月初版、〜40-9)が11/1に出来ました。ハンガンの繊細な感性に触れるエッセイ集の初邦訳、オリジナルアルバムの音源情報も巻末に収録した古川綾子訳「そっと静かに」2,200円(18年6月初版、〜70-96)、回復に導く詩の言葉ハン・ガンによる詩60編を、小説を手掛けてきた翻訳家・きむふなと斎藤真理子の共訳の「引き出しに夕方をしまっておいた」2,200円(22年6月初版、〜28-3)も11月13日に再版が出来ました。

●英領セントルシア出身のノーベル賞詩人デレック・ウォルコットの作品「オメロス」「オデッセイ」などを中心に、カリブの歴史と社会を強く反映し、アフリカの悲劇の記憶をしっかりと織り込むカリビアン文学。谷口ちかえ著「世界の裏窓から カリブ編」2,200円洪水企画は、五大陸の交差点・中南米カリブ海域の苦難の歴史。特異性や文化の多様性から生まれた異色の文学を紹介する特異な企画。ISBN978-4-909385-53-6

●栃木県益子町に移り住んだハンガリー出身の彫刻家とそれを支えた女性・ちよの物語。和久奈ちよ著、堅田憲弘編「ワグナー・ナンドールと歩んだ道」1,500円 下野新聞社は、ハンガリーに生まれ、革命の時代を生き、亡命先のスウェーデンで日本人ちよと出会い結婚。1970年に栃木県の益子に移住し彫刻制作に専念。二人の作品制作や生活のエピソードなどを思い出深く描いています。ISBN978-4-88286-877-4

●著者は中・近世城郭研究、近世大名墓研究で多くの著作があります。中井均氏「近江の戦国城郭」2,000円 サンライズ出版は、近江で作られた城郭の主要なものを紹介。信長・秀吉の城、甲賀・中惣の城群、観音寺城、上平寺城、そして彦根城まで。ISBN978-4-88325-826-0

●6年ぶりに、2024年10月22日に発見されたその時点で最も大きな素数表。真実のみを記録する会・竹迫良範著「M136279841 縮刷版」881円 暗黒通信団は、52個目のメルセンヌ素数の一つ。米カルフォルニア州サンノゼに住む36歳の研究者・ルーク・デュラントさんが発見。ISBN978-4-37310-881-0

●信州の二万石の小藩の日常を描く。青木隆幸著「飯田城 その日その日−青木隆幸著作集1」2,400円 龍鳳書房は、殿様の日常の記述が傑作で秀逸。殿食べる(殿の食事風景を覗く/食事の時間も気分も、殿次第)、殿出かける(殿が動く、城が動く/薩摩藩の大名行列には17億円もかかった)、殿と歩く飯田城(飯田藩の幕府献上品/冬を控え、新そば、味噌づくり)、殿江戸へ(参勤交代に費やされた費用と時間は莫大/大混乱の江戸城元旦の風景)、城下町飯田と飯田藩(女たちの大平街道/飯田町のなかの<異国>)、平田国学と飯田下伊那等。ISBN978-4-947697-85-1

●奄美大島生まれで28歳で奄美における儀式を経てユタ神様となった円聖修氏のユタ紹介の書。円聖修著/福寛美監修「ユタに生きる 上巻」1,800円 南方新社は、生まれてから今日までのユタとして見た神秘的世界を語ります。ISBN978-4-86124-518-3

●佐藤信子さん(95歳)=昭和村=が小学生の頃、学校でイナゴを捕った。「多い方から五人くれえは褒美もらったゃの」。古い手ぬぐいで作った「イナゴ捕り袋」にイナゴを入れ、鍋で茹でて真赤になったのを干す。学校ではそれを売り、何がしかに役立てた。イナゴは家でもたくさん捕った。羽と足とると食感がよくなる。乾かしたイナゴは長く保存でき、冬の間食べた。「よーく乾かしたのをカリカリになるまで煮て佃煮にしてなあ。おいしいよ」。<イナゴ捕り>の一文。会津学研究会著「奥会津物語−鳥獣虫魚編」909円 歴史春秋社は、奥会津に伝わる言い伝え・体験話などの聞き書集。鳥や獣・虫魚に関するもの。を集めたもの。ISBN978-4-86762-046-5

●舘田勝弘著「若山牧水より和田山蘭(さんらん)へ書簡二百十二通−短歌を愛し、酒を愛した二人の友情」2,500円 青森文芸出版は、平成六年夏に発見され、青森近代文学館と五所川原市に寄贈された牧水よりの書簡集。本州北端青森生まれの山蘭と九州南端宮崎生まれの牧水との交遊書簡212通、牧水が亡くなる昭和3年まで続けられたものをまとめ、活字化。74通の書簡が今回初めて公刊される。ISBNナシ


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