No.119
東光山・仏洞山・三崎山を踏破したゾ
[東光山(594m―由利本荘市赤田・2015年11月29日)]
 今日はモモヒキーズの山行ではない。年下の友人Sさんと2人だけの山行なのだが、登山口でモモヒキーズ2人のメンバーと合流、4人の山行となった。東光山は赤田五山の中で唯一登山道のある山だ。低山ながら一合目から頂上まで合目毎に石柱が立ち、登山口の標高は一五〇m、登り始めから結構きつい坂が続く。
 四合目を過ぎたところで、登山道を左にそれ是山和尚が修行したという「洞窟」に寄り道。是山和尚はこの地域の尊敬を一身に集めた赤田の長谷寺を開山した名僧である。1784年には大仏を建立したことでも知られている。この修行洞穴は、実はいつも道に迷ってしまう箇所だ。でも今日はエキスパートのSさんが先導してくれるので楽勝だった。
 ここからさらに七合目まで登り、やはりまた左にそれ、未踏峰の「仏洞山(488m)」に寄り道。山での寄り道はきついときもあるが、この程度の低山だと、逆に楽しみやスリルのほうが勝ってしまう。
 頂上までは約二時間。まだ昼には早いので急いで下山、大内の「道の駅」でゆっくり昼ごはん。

初雪の道をゆく

寺田寅彦の経緯度測量台座の前で
 昼食後、大内から象潟に移動。今日の山行の目的の一つでもある三崎山(161m)に向かう。「山」とはいうものの車ですぐそばまで行ける採石場の上にある丘だ。やぶだらけで今は人も入らない場所だが、ここの山頂には「経緯度観測点」がある。県境にある低山なのだが一等三角点の山なのだ。ここと飛島柏木山、酒田市飯森山の3地点を結んだ円柱コンクリート製の測量台座があり、この設置は昭和3年。10年ほど前、故・藤原優太郎さんとここを訪ねたことがあるから以来、2度目である。この測量台座を発案し設置したのは、あの地球物理学者・寺田寅彦である。20世紀初頭にA・ウェグナーによって発表された「大陸移動説」を日本でも実証しようと寺田が国に働きかけて実現した観測地なのである。「天災は忘れたころにやってくる」という言葉で3・11以降、話題になることの多かった寺田だが、秋田にもこうした足跡を残していることを知る人は年々少なくなっている。
 温泉は象潟町にある「さんねむ温泉」。清潔感のあるコンパクトな温泉だが、今日は海と夕日で有名な大浴場ではなく、下の階にある小さな浴場で、ここは初めてのような気がする。一度、こんな海の淵に立つ温泉に泊りがけで来てみたいものだ。

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