クマの残影におびえながら |
[八塩山(713m 由利本荘市――2017年5月28日)] |
今年に入ってもう4回目の八塩山だ。好きだねえ、と大向うから声がかかりそうだ。2週間前にもSシェフと2人で登ったばかりだが、あの日は体調が悪く、楽しさはいまいちだった。 今日は朝から雨。登山口に向かうまで車中はどしゃ降りの雨。とても登山をする空気ではない。でも行くところまで行ってから決めようと登山口までたどり着く。そこで鳩首会議。賛否半々だったが、ここまで来たら行こうよ、という声で登り始める。雨がひどくなったら引き返せばいい。 行きは4.5キロあり約2時間半、下山はアップダウンがあり、この時期は山菜採り(ゼンマイ・ミズなど)で時間を余分に見なければならないので約2時間。 しかし、天気予報はあてにならない。雨はまったく降らず、途中からは青空まで出てくる始末。山はいつだって気まぐれなのだ。
その恐れは当たらずとも遠からず。登山道に昨日あたりしたとおもわれるでっかいクマの糞。真っ黒なやつで、タケノコや繊維質のものを食べている痕が、くっきりと糞に見て取れた。すぐ横の木の標柱もガリガリとかじりとられていた。2週間前にはなかった噛み跡だ。「いい気になるなよ、ここは俺の縄張りだ」とクマが自己主張している。やはりクマはいたのだ。姿こそ見なかったが、もうひとりでこの山には入れない。 |