No.185
沢深い赤倉口のブナ林を行く
[真昼岳(仙北市美郷・1059m・2018年10月21日)]
 Sシェフと2人の赤倉口からの真昼岳。赤倉口からは何年ぶりだろうか。春の若葉のころのブナ林の美しさは秋田一だが、紅葉の季節の赤倉口は、たぶん初めてだ。山頂付近は笹やぶだらけの山なので紅葉には無縁なのだろうが、案の定、塩害の影響もあるのだろうが、里山付近から紅葉はさっぱりだった。これは期待するほうが無理というものだろう。この山に行きたいといったのは私だ。10月に入ってがぜん体調がよくなり、堰切ったように岩谷山、栗駒、焼山と山憑いている。太平山にも登れたし、その次くらいの難易度の真昼にも登れるだろう、とチェレンジしてみたのだ。
 もともと大好きな山なのだが、登りに3時間近くかかる。なめているととんでもないことになる。登山口には看板がかかって「山頂まで2時間40分」の表示がある。昔は、「2時間ちょっとあれば十分、こんなにかからないよ」とうそぶいていたのだが、今は3時間切れば奇跡というところ。登り口からゴロゴロした岩場が多く、さらに朝露でツルツルと石が滑って、慎重に一歩一歩歩いていくしかない。
 ブナ林帯に入ってようやく道は平たんになるが、そこをこすとまた急峻な登山道が容赦なく続く。
 天気も良く、紅葉はさっぱりだったが、気持ちいい疲労感の残る山行になったが、所要時間は3時間10分。まあこんなもんだろう。
 山頂は登山客でいっぱいだったが、これは峰越林道側から登った人たち。1時間半もあれば登ってこられるコースだ。岩手側かの登山客も少なくない。

40分台は無理だなあもう。

山頂小屋が見える
 登っている最中、いたるところで馬糞のような獣臭さに出会った。とにかくクマが怖いので笛を吹きっぱなし。クマは匂いがない、という人もいるが、とにかく笛を吹いて鈴を鳴らし続けるしか、出会いを避ける方法はない。登るたびにクマと出遭う恐怖は増していくのだから、やっかいだ。
 下山も結局3時間ほどかかってしまった。岩場が滑るので下りるのもゆっくりにならざるを得ないからだ。
 温泉は「嶽の湯」。山が早く終わったので近くの道の駅によって野菜を買うつもりだったが、ここからだと道の駅はけっこう遠いことが分かり断念。高速に乗って早々と帰宅。

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