急峻のラッセルでヘロヘロに |
[院内岳(大仙市田沢湖町・751m・2019年3月10日)] |
一週間前には秋田市河辺にある一ノ沢山(532m)に登ったのだが、頂上まではたどり着けなかった。太平山系列の三等三角点のある国有林なのだが、今年は雪が少なく、そのため逆に道に迷ってしまったためだ。登山道を探して崖を上り下りするのも冬山ハイキングの楽しみのひとつではあるのだが山行記には載せないことにした。 そして今日は院内岳。田沢湖の横にある700m強の山で山頂までは3時間近くかかるからスノーハイクというほど甘い山ではない。 毎週登る冬山では最大級の難易度の雪山と言っても過言ではないかもしれない。七座山(二ツ井)と同じかそれ以上と言っていいかもしれない。でもやっぱり雪山登山のハイライトと言えば、5月ゴールデンウィークの鳥海山払川ルート直登だ。もうこの年になると鳥海山の雪山直登は年々きつくなる一方なので、敬して遠ざけたいというのがいまの正直な心境ではある。 院内岳の最大の特徴は、眼下に常に田沢湖の威容だ。この美しさが目を慰め、疲れを忘れさせてくれる。 とはいってもこの山に夏道はない。雪山専用の山なので定められた登山ルートはない。さらに今年は雪が少ないので、すっきりとルートが目に見えない。雪が多いとなんとなく頂上までのルートを頭にイメージして登っていけるのだが、それがない。どこからでも登れそうで、どこからも登れない、といういやらしい雪の付き方なのだ。 最初の急登でもルートを特定するのがむずかしく、先頭を任されたのだが登りやすいルートを「でたらめに」に進むしかなかった。かなりきつい登りだったがどうにか尾根にとりついた。息が上がり、足に痙攣が来そうになったが、尾根にとりつくとあとは尾根沿いのアップダウンがあるだけだ。
山頂でのランチでは痙攣がきた。最近では珍しい。 風もなく青空も時折顔を見せる絶好のコンデションで、今年もまたこの院内岳を登ることができた。いろんなことに感謝したい気分になる。 我々以外にも高齢のご夫婦と山頂で一緒になった。我々とは違うルートをトラバースしながら登ってきたという。急坂はどこにもないのだそうだ。下山はそのルートで下りてきた。なるほど、これは楽だ。 私たちはそのルートにたどり着く前に目の前の急坂を一挙に直登してしまった。来年はもっと楽な冬山登山になりそうだ。 |