No.216
恐怖のジジ落としのある縦走コース
[房住山(能代市二ツ井 409m 2019年11月24日)]
 観音橋登山口から歩き出し、山頂の小屋をこえてさらに下る。そこから急場の下り、ジジ落としをほうほうのていで下り、寺屋敷跡でランチ。しばらく落ち葉のフカフカロードを歩いて小新沢林道口側に降りてくる縦走コースだ。メンバーは8人。車4台に分乗。車が多いのは登り口と下り口に、各2台ずつ車を待機させておく必要があるからだ。
 私もドライバーの一人だが、最近運転をする機会が増え、早朝や温泉後(疲労の極致)の運転にもようやく慣れつつある。
 歩き出すと思った以上に気温が高く青空まで見えだした。この季節としてはありえないほど汗をかく。フカフカの落ち葉はありがたいが、山のどこにも雪が見られないというのも異常と言えば異常だ。
 山名の通り、この山の見どころは33の石仏観音像。稚拙な彫のものがほとんどだが、1861年、里の村人たちの寄進で安置されたもの。これを順番に見ながら山を楽しむことができる。
 登りには俗称「ババ落とし」と言われるかなり急峻な登りがあるが、ちゃんとう回路もある。山小屋のある山頂まで2時間半。ここで終わりではない。まだ石仏は20番台で33ヶ所全部を見るためには、この山頂の向こう側まで行かなければならならい。
 山頂をこえると今度は「ジジ落とし」(我々が勝手に命名)がある。ロープを張り巡らせた、足のすくむ下りだ。この縦走のハイライトだ。ジジ落としが終われば寺屋敷のあった広い場所に出て、ここでランチ。
 朝一番で車を待機させてきた小新沢林道まではすぐだ。

初冬の青空の中を登る

寺屋敷でランチ
 最近「山の歩き方」を変えた。メンバーの最後尾を自分のペースでゆっくり歩くことにしたのだ。「足の疲れは、歩きながらとる」というイメージで歩いている。山の難易度で足に負荷が来るのではなくペースを乱したことのツケによるものであることが体験的にわかってきた。ついでにストックの持ち方もひと工夫。斜度によってストックの長さを調整したいのだが、これができないタイプのストックだ。そこで手の位置のほうを変えて長さを自由に変えるようにしたのだ。手の位置を変えるだけで適宜の長さに変えるだけだが、これがけっこう難しい。すぐストックが手から離れてしまうからだ。
 最後尾を自分のペースでゆっくり歩き、ストックの持つ位置を変えることで腕や身体への負担を軽減する。この2つを取り入れてからゼイゼイ息を荒げることが少なくなったような気がする。
 温泉は五城目の「小倉温泉」。最近は温泉のはいり方も「烏の行水」状態から脱却。長く湯に浸かってものぼせないようになりつつある。身体を温めると疲れもゆるやかに湯の中に溶け込んでいく。この温泉の泉質は独特で、無色透明なのにぬめりがある。いかにも効用豊という感じなのだが、脱衣場は狭く、洗い場も少ない。洗い場が開くのを待っていなければならない温泉はここくらいだ。今日も湯船から「そこは俺の場所だッ」と洗い場に向かって叫んでいるジジイがいた。このへんは何とかならないものか。

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