No.217
山よりキノコとボタン鍋
[男鹿真山(男鹿市 567m 2019年12月1日)]
 天気予報は早くから雨マークだったが、次の山行までは2週間ほどノースケジュールだ。リーダーのSシェフに「雨だけど真山でも行く?」とメールすると「行こう」の即決。敵もひまを持て余していたようだ。モモヒキーズの山行は基本的に月2回。あとは自由に個人で好きな山に行けばいい、というのがルールだ。でも最近は単独行というのは無理だ。山はクマで満ち溢れているからだ。特に県北や鹿角地方の山々は危ない。クマが人間を襲った事件以来、クマが人間に近づいてくる事例が多く報告されているのも恐怖だ。
 その点、男鹿は安心だ。クマがいないのだ。いや、いるのかもしれないが目撃例は皆無、なまはげがいるのでクマはいないと信じている人までいるほどだ。
 今回は4人のパーティだ。男3人に女1人、いつものメンバーだが、真山神社の駐車場には登山客らしき車がすでに止まっていた。雨でも歩きたい、軽いハイキングに絶好の場所なのだ。
 午後からは確実に雨だが、午前中いっぱいは持ちそうだ。

この山は木の形が魅力だ

いつものメンバーである
 真山神社までは1時間20分。程よい傾斜の階段上りが最初から最後まで続くコースだ。今日はこの神社が最終地点だが、実はハイライトはこの場所ではない。ここから20分ほど下った「フタツアイ」と呼ばれる森の中が主役だ。ここの森林でキノコ採りをするのが今回のメインだ。キノコにまったく興味のない私でも、遠めに木々に張り付いたキノコが目撃できるほど、キノコの豊富な場所だ。
 ここでヒラタケ採り。私は登山道で所在なく待っているだけだが、モモヒキーズは「マタギ勘定」が徹底している。採ったキノコは平等に人数分で分ける。と言っても私の取り分はSシェフに持って帰ってもらい処理の終わった瓶詰キノコだけをもらう。もうまったくお客様なのである。
 キノコを採りつくし真山神社まで戻ってランチ。ガスバーナーで熱々のカップラーメンを食べる。最近はブランド・カップラーメンに凝っている。房住山では「とみた」だったが今日は「飯田商店」。全国で有名なラーメン屋さんのカップラーメンがコンビニで売っているのだ。下山途中から雨がポツポツと降り出した。まったくタイミングがいい。温泉前に立ち寄った道の駅「オガーレ」に着くころには本格的な雨になった。
 温泉は潟上市天王にある「天王温泉くらら」。広くて大きくて込み合う温泉だ。客のマナーが悪く、不快なことが多くある温泉でもあるが泉質はいい。浴場のいろんなところに寝転んだり、大声を出したり、脱衣所にも金ぴかネックレス確率がかなり高い場所だ。要するに柄が悪いのだが、ここは湯冷めをしないから、泉質は気に入っている。
 夜はSシェフと2人でシャチョー室宴会。前日、クマを撮っているカメラマンのKさんから頂いたイノシシ肉を、Sシェフが素早くボタン鍋にしてくれた。これが実に柔らかく滋味豊かでおいしい肉だった。なんだか今日は山よりもキノコとイノシシの一日だった。

backnumber  ◆ Topへ