No.249
東光山でアカゲラを観た!
[東光山・由利本荘市赤田・594m 2021年7月11日]
 今日は鳥海山峰のひとつ笙ヶ岳(1635メートル)に登る予定だった。それも払川ルートではなく庄内側の吹浦コースだ。故藤原優太郎が大好きなコースで、私も何度となく連れて行ってもらった。払川ルートは石段が多く、帰りはこれが腰にこたえるので、藤原さんは吹浦コースを選んでいたようだ。前日の土曜日は山の弁当つくりで半日がつぶれた。サラダに卵焼き、ブタの生姜焼きやお新香、おにぎりも自前だ。汗っかきなので大量の水(3?)も冷蔵庫へ。
 朝は4時起き。いつものようにプレッシャーで眠れない。雨は降っていないが予報は午前中には集中豪雨の可能性が。出発直前、Sシェフが中止の決断。由利本荘市にある東光山に変更することにした。ここなら早めに登って降りてくれば雨と会わずに済む。
 登り始めるとすぐに鳥の鳴き声が。アカゲラだ。その姿もはっきりと目撃することができた。感激だ。東光山は是山和尚が山籠もり修行したところとして有名だが、笹森山を最高峰とする「赤田五峰山」のひとつ。だからどことなく山中にも神秘的でストイックな修験の山の空気感が満ちている。
 登山道のいたるところが上から崩落してきた砂利や倒木で崩れている。歩くのに支障がないように整備はされているが、以前のような山ではなくなっていることに少しショックを受ける。岩肌むき出しで表土が崩落した斜面を観ながらの山登りは心痛む。連日、九州や熱海の山体崩壊のニュースを見続けているせいか、余計に痛々しさが増す。自分の生きている秋田でも同じような自然災害が、実は目に見えないところで頻発しているのである。

いたるところで山が崩れていた

風がなく蒸しあつい
 風がなく蒸し暑い。雨が降らないだけで充分なのだが、ちょっとは風が欲しいところだ。というのもこの山はけっこう前半から傾斜がきつくハードな山道が続く。前日の雨でぬれそぼった樹木や葉っぱがキラキラ輝いている。森全体は薄靄に包まれ静寂そのものだ。広い登山道はちゃんと下草がかられ、歩きやすい。麓の集落の人たちが定期的に山の管理をしてくれているのだ。
 約二時間で山頂到着。登り始めが朝7時ころなので、ランチには早い。さっそく降り始めるが、岩が多いので、ゆっくりと下りなければ危険だ。けっきょくは1時間40分ほどかけて下山。
 ランチは大内町にある道の駅「ぽぽろっこ」の休憩室で撮ることにした。雨には合わずに済んだのが何よりの幸運だった。もし、予定通り笙ヶ岳に行っていれば、迅速な対応は無理なので(山が広大なので)、どんなトラブルに巻き込まれていたかわからない。今回の予定変更は正解だったようだ(夜からものすごい集中豪雨で、秋田県内では大雨警戒警報が出され、観測史上最大の雨量をもたらした)。

 温泉は「ぽぽろっこ」。ものすごい汗をかいたので露天風呂が気持ちいい。でもとても長湯はできそうもないほど疲労感もある。家に帰ったのは午後2時。朝4時起きの疲れがどっと出て、事務所のソファーで昼寝をしてしまった。

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