No.252
今日は半分まで、待ってろよ鳥海山
[鳥海山・祓川口・2236m 2021年9月12日]
 朝4時半起き。さすがに外は真っ暗だ。今日は祓川小屋から七ツ釜小屋、康新道から八合目の途中まで行こうという計画だ。雨の予想なので臨機応変にすぐ下山できるような心構えもしておく。なにがなんでも頂上へ、という意識はまったくないので気分的には楽だ。
 今年の恒例の5月ゴールデンウイークの払川雪山直登登山はコロナや天候もあり中止になった。そこで今日の雪のない登山となった。
 8月23日の「屈辱の駒ケ岳」から3週間、必死で弱点強化のための筋力トレーニングを積み重ねてきたが、まだちょっと日が浅い。もう半月は欲しいところだったが、このチャンスを逃すとしばらく鳥海山へは行けないことになる。意をけっして参加の手を挙げた。
 天気は上々だ。空は荒れあがり、いつもの鳥海ブルーの抜けるような青空だ。秋の風が心地よい。濃い緑の山肌に時々ハッとする赤色がまじる。ナナカマドだ。山中に入るとオオカメノキまでが赤く色づいている。3リットルの水を用意してきたが、駒ケ岳のようにリュックが重い感じがない。筋トレの効果が出ているのだろうか。身体も軽いし、足もよく上がる。

山頂には分厚い雲が

雄大な風景を眺めながら登る
 登りは何の問題もなくスムースに八合目まで行くことができた。2時間半、ここでようやく鳥海山の半分だ。午後からの雨(雷)も心配だったので、今日はここで予定通り下山を決めた。でもなんとなく山頂までは行けそうな予感があったのは収穫だ。
 問題は下山だった。これは苦しかった。岩場が多く片足で立つ機会が多いのだが、そこでバランスを崩してしまうのだ。登りで使った体力が足の筋力を奪っているのだろう。いきおいへっぴり腰で岩に尻をつき、恐る恐る降りてくることになる。行きはよいよい帰りは恐い、である。このバランス感覚は一朝一夕には身につくものではない。明日からまた地道にトレーニングを続けて行くしか道はないだろう。昇は自信がついたが、間違いなく下山時にはバテて怪我をするだろうな、という不安が残った山行だった。

 温泉は大内の「ぽぽろっこ」。いつもの勝手知ったる温泉だが、入湯券をかう機械で今回も間違えて「休息付き」510円を選んでしまった。本来は450円だ。自分が悪いのだがちょっと気分が悪い。

backnumber  ◆ Topへ