No.254
サブスリーを目指して
[真昼岳・美郷町・1059m 2021年9月26日]
 今日は真昼岳。先週の宝蔵コースの「屈辱=コンプレックス」を早く払しょく(忘れる)するためにも、今日の山行は重要だ。山行のために朝5時前に起きたのだが、朝焼けが見事なほどきれいだった。ずっと観ていたい誘惑にかられたほどだが、最近は雲が好きで、日常生活でも注意深く、雲を見る習慣がついた。山ではとにかく天気が気になる。木や風や空が大切な友達に思える場所でもある。特に雲は多種多様で変幻自在、自由え気まぐれ、天衣無縫さに心惹かれる。
 真昼岳は好きな山だ。ブナの若木が特に美しく、その林の中はまるで美少女のようだ。眺望もちょうど仙北平野の東にあたり、黄金色の広大な景色が心を癒してくれる。西和賀町との県境にあり、登山道の標識には「真昼山」の記述も見えるが、これは岳でも山でもどちらでもいいようだ。
 この山も私の足ではゆうに3時間かかる。石がゴロゴロする岩場を1時間ほど登り、続いて平坦な美しいブナの自然林の中を1時間、最後の1時間は頂上までアップダウンを含め急峻な登りが続く。とはいっても太平山の宝蔵コースに比べればずっと楽なコースだ。マラソンでは3時間を切るランナーを、尊敬を込めて「サブスリー」という。できればこちらも真昼岳をサブスリーで登るのが理想だ。赤倉登山口の入り口には「山頂まで2時間40分」と書き記されている。これは一般的な常識の範囲タイムであり、3時間を切れない私どもは「一般人以外」という名の高齢者である。

途中にキノコが大量に

山頂の小屋が見える
 真昼岳に特別な難所はない。中間の1時間のブナ帯をゆるゆると歩く至福の時間帯があるのが、大きな特徴だ。風もあり曇り空だったが、午後からは青空も見えた。たわわに実った黄金色の広大な仙北平野が眺望できるのも魅力だ。
 登山客も多く、これには驚いたが、道路の崩落が伝えられていた峰越コース(赤倉コースの半分で来られる)からの登山客だった。ほとんど何の問題もなく(途中キノコ採りに15分ほど時間をロスしたが、私は体力の不安もありペースを崩さぬように黙々と歩いた)、3時間10分で山頂に立つことができた。やはりサブスリーはまだ無理だ。
 温泉はいつもの払田の柵のそばにある「柵の湯」だったが、女性湯がリフォームで入れないことが分かり、急きょ刈和野にある「ぬく森温泉ユメリア」に変更になった。温水プールや俳優の柳葉敏郎の展示館のある3階建ての大きな宿泊施設だ。

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