古い歴史を持つ信仰の山なのに…… |
[房住山・三種町・409m 2021年11月21日] |
10月10日の秣岳以来の山行なので体力が落ちていないか心配だった。さらに前日までいろんなことでバタバタ、心の余裕がないせいか、前夜はよく眠られなかった(これはいつものことだが)。 幸いなことに寒くも暑くもない快晴。今日の登り口はいつもの滝ノ上登山口ではなく、房住神社のある井戸下田登山口だ。こちらから登るのはしばらくぶりだ。滝ノ上コースよりなだらかで急登はないが、距離は長い。この山の名物になった33観音石像の1番から9番はこのコースでは見られない。いきなり道の合流地点で10番の石像に出てしまうのだ。 出発して30秒分も経たない場所で、枯れ木にビッシリと繁茂したキノコと遭遇した。歓声を上げてキノコ採りに夢中になる仲間たちを置いて一人黙々と歩を停めず、歩き続ける。と書けばかっこいいが、ちょっと体力に不安がある。ペースを崩さず、自分の歩幅とリズムで、まずは山歩きのペースをつかみたかった。 フカフカの落ち葉を踏みしめながらの山歩きは楽しい。少しは筋トレの成果もあったようで息切れすることもなく、スイスイとひとりで標高を稼ぐことができた。
それにしてもここは古代から由緒ある修験の山として、数々の古文書にも記録がある。なのに、わずか明治維新の5,6年前に建立された「歴史の浅い」それも素人のつくった石仏の観音像だけが注目されるのはなぜなのだろう。古くは坂上田村麻呂(実際には来ていないのだが)の長面兄弟討伐伝説や、鎌倉時代は山岳仏教の一大拠点といわれ、かの菅江真澄も石川理紀之助も訪れた信仰の山である。そうした歴史的な解説の案内板も全く見当たらないのだから、不思議といえば不思議だ。 山頂までは約2時間で問題なく登頂。山小屋は階段が壊れていて利用することができなかったので、中2階のベンチでちょっと早い昼食。 下山で、ちょっと両ひざが痛くなった。筋トレのし過ぎかと不安がよぎるが、身体が温まってくると痛みは自然に消えた。 家に帰り着いたのは3時ころ。中途半端な時間な時間で、このところ「酒を呑みたい」という欲求が消えているので、時間を持て余してしまった。夕飯は自分で食べることになっているので、思い切ってタクシーで外食することにした。街の繁華街に出て5時前からオープンしている居酒屋に入り、グレープフルーツハイを2杯飲み、つまみを数種類頼む。喉が渇いていたせいもあったのだろう実に美味だった。お酒はやっぱりうまい。酒もやはり肉体労働をしないと身体にうまくしみこんでくれないのだろう。汗をかいて身体がヘトヘトになった後の酒は、やっぱりうまい。 |