No.271
小白森・大白森―小雨の中を強行山行したが……
[大白森(1215m・田沢湖町――2022年6月26日)]
 2014年にモモヒキーズ数人で登った「大白森・小白森」に7年ぶりで再挑戦。Sシェフと2人きりの山行だ。雨模様だったが、私の強い希望で強硬突破することに。今日登らないと数年は登れる可能性が低くなるからだ。難易度は太平山奥岳クラスかそれ以上。この日に備えて体重を2キロ落とし体調を整えてきた。
 のだが小雨は止むことなく、足場はドロドロ、眼鏡が曇って歩きにくい。1011メートルの分岐地点まで到達したところで引き返してきた。ここまで2時間半かかっている。小白森まではまだ40分(距離は1キロ)の地点だ。

登山口の鶴の湯温泉前で

こんな登山道がずっと続く
 ここで14年当時のブログの記録を読み返してみると、こんなふうに書いてあった。「落ち葉を踏みしだきながら歩く山は気分がいい。いつまでも歩いていたい、と思ってしまうほど。落ち葉のクッションは夢見心地になるほど気分がいい。歩くたびに身体がリフレッシュされていく」。「1時間半で鶴の湯分岐に到着。そこから30分で小白森山山頂へ。ここからさらに1時間ほどで大白森に到着。いつ来てもこの山上の平原は広々として開放感が気持ちいい。登山客は誰もいない。木道でランチの後、しばし寝っ転がってお昼寝をした。山に登ってこんなに長く(20分ほど)山頂でリラックスできたのは初めてかも。 空には雲ひとつない。快晴で風もない。周囲は燃えるような紅葉だ」とある。秋と春の違いはあるが、やはり雨が決定的だ。それと年齢だろう。わずか7年前とはいえ、このころは山との親和性が高く、この小白森や大白森を、ちょっと大きな峠道ぐらいの間隔でとらえていることに驚いてしまった。「登り3時間、下山に2時間ちょっと。このぐらいの山が飽きない「ちょうどいい山」だ」とまで書いているのだから世話はない。
 今回も、山にはタケノコとりと思われる人たちが複数いたが、ここはクマのメッカでもある。登山を楽しむというより、白い煙幕がかかった山中をクマの恐怖におびえ、ひたすら鈴を鳴らし、笛を吹き、大声を出し続けながら歩くのもけっこうつらい。なにが楽しいのかと笑われそうだが、この小雨とクマ恐怖も山行の欠かせない「深味」である。何とか機会を作って秋にはリベンジしたいものだ。

 温泉は秋田駒の入り口である「アルパこまくさ」。ここの大きなロビー(展示室)の隅っこで、山で喰いそびれたランチをいただく。火は使えないので、持ち込んだ弁当を掻き込んで、今日の山行は終了。

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