No.273
笙ヶ岳・猛暑に雪渓のオアシス
[笙ヶ岳(1635m・山形県遊佐町――2022年7月10日)]
 先週に引き続き2周連続で山形の山だ。朝4時起きも同じ。花の山・笙ヶ岳は30度を超す暑さの中での山行だ。しかも鳥海山塊(石の山)を歩くのは体力的にけっこう大変だ。登山口は、ずっとSリーダーに希望を出していた大平口(吹浦コース)だ。祓川口(象潟)より距離は長くなるが、故・藤原優太郎がこよなく愛したコースだ。彼との山行の思い出の詰まったコースで、一緒に何度登ったかわからない。今日は個人的には追悼登山でもある。
 登山道にはコバイケイソウ、ニッコウイスゲ、チングルマといった花の群生が続くが、この山を「花の山」として一躍全国区にしたのが藤原優太郎だった。日曜日だったこともあり、山はものすごい人出だった。山頂付近のニッコウキスゲが大人気で、いたるところから悲鳴に似た嬌声が聞こえた。
 今日の山行は買ったばかりの38リットルのニューザックだ。まだ体になじんでいないが、こればかしは使って直していくしかない。カメラもおニューだ。オリンパスのタフ6という機種で、デジカメとはいいながらけっこう重い。防水、耐震に優れた機種だからだろう。さらにサングラスも新しいものに替えた。前のものは紫外線量によって明度が代わるというサングラスだが、これが寒さには反応するが夏の暑さには寸ともいわないのだ。まったく黒くならないのだから役に立たない。そこで着脱式のサングラス着用となったのだが、けっこう着脱が面倒くさい。それにしてもところどころに現れる雪渓がうれしい。涼しいし、気分はリフレッシュするし、歩きやすい。猛暑の中のオアシスそのものだ。

この雪渓がたまらない

山頂のニッコウキスゲ
 登り始めて3時間、ヘロヘロになりながらどうにか山頂に立つことができた。今回は大平口からだから三峰(ここが笙ヶ岳の山頂)だけだったが、去年は祓川側から一峰、二峰と踏破している。昼は長坂道T字分岐まで下がり、そこでランチになったのだが、ニッコウキスゲの群落地なので登山客がひっきりなしに周りを歩き回り落ち着かない。ガスバーナーを持って行ったのだが、とてもゆっくりお茶を飲んでいる雰囲気ではない。
 下山は象潟口のような石段がないので、足への負担が少なく、あまり苦労せずに降りてくることができた。ところが登山口の300メートル手前で水が完全になくなってしまった。なくても困る距離ではないがSリーダーからペットボトルの水を1本もらうという失態を演じてしまった。水は2立冬を持ち、そのほかに食事用に1リットルの合計3リットル持って行ったのにこの体たらく。やはり体力がなくなっているのかもしれない。

 温泉は登山口のすぐそばにある「大平山荘」。シンプルだか清潔で簡素ないい温泉だった。たまには県外の温泉もいいものだ。

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