No.278
黒森山 御嶽山・古道と紅葉と塩湯彦神社
[黒森山・御嶽山(766m・美郷・横手――2022年10月23日)]
 先週、月山スキー場の周辺をトレッキングした。でもほんのちょっと森の中を歩いただけ。本格的な山歩きは久しぶりだ。美郷町にある黒森山(766m)と横手市にある御嶽山(751m)を縦走し、折り返してきた。途中、さっと雨が降っただけで、それもすぐ晴れ、気持ちのいい紅葉(といってもほとんどが黄色だけだが)にすっぽりと染まってきた。全行程でも3時間半程度の小さな山だが、落ち葉と紅葉の中の森を歩くのは、なんとも実に気持ちいいものだ。
 この山は登り口からいきなり「獣臭」のする山でもある。あまり人が入らないから動物天国なのだろう。とにかく動物園の中を歩いているような獣臭がずっと続くのだから怖い、といえば怖い山でもある。クマらしき糞もいたるところに転がっている。それを除けば、もう満点の歩きやすい緩やかなやさしい山だが、今回はいつもの横手高校の裏山側から入るコースではなく、美郷の黒森側から登るコースを選んだ。過去にも一度か2度しか登っていないコースだ。そのため登山口まで何度か道を間違え、女神山の後ろのツル登山口に迷い込んでしまった。でも女神山にこんな登山口があったのは知らなかった。今度はここから女神山に登ってみよう。
 黒森側から登るとすぐに黒森古道の跡が登山道の左下に、ヤブに埋まった形で深くえぐられているのが分かる。ここが古代、坂上好陰らが軍勢を引き連れ「蝦夷退治」に通った道だそうだ。緩やかな斜面をしばらく上るとすぐに右に折れる小道があり、ここを折れていくと山頂がある。まっすぐ進めば御嶽山に縦走する道だ。

黒森古道をゆく

山グミの宝庫だった

 今回は御嶽山山頂にある塩湯彦神社を見るのも目的のひとつだ。急いで引き返し御嶽山を目指す。いつもは横手高校側から登って、御嶽山山頂には寄らず、その横を通って黒森山側に移動するため、山頂にある塩湯彦神社を見る機会はありそうでなかったのだ。ここは延喜式にも登場する格式高い神社で、秋田の歴史書には必ず名前の出てくる存在だ。その神社でランチ。ここで天気予報通り、パラパラと雨が降ってきた。急いで雨具に着替え、下山するとすぐに雨雲は去っていった。

 温泉は六郷温泉「あったか山」。ここも何年ぶりかで入る。10棟ほどのコテージがあり、県内大学生たちの英語学習キャンプのようなものが行われていた。広々とした露天風呂でリラックス。ここはいい施設と泉質で、気に入った。

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