No.288
猛暑・水切れ・体力不足
[太平山前岳(731m・秋田市―2023年9月3日)]
 自分でもちょっと無謀かな、とは思いながらも一人で太平山前岳へむかった。今日も34度の高温予想が出ていたが、朝起きると雲が出て、少し涼しげな雰囲気もあった。10日前に遊佐町の二ノ滝巡りをして、脊柱管狭窄症の痛みがほぼ消えかかっていたのに自信を持ったこともあるが、やはりこの前岳は自分の体調や体力を測るうえで、絶好のトレーニング場でもある。ここを難なく登れれば、まあたいがいの県内の山は大丈夫だ。
 心配だったのは駐車場だ。先日の大雨で登山道入り口は閉鎖中との報道を聞いていたので、再開したようだという噂だけでは心配だった。朝、7時半に家を出て、登山口の駐車場まで車を走らせると、案の定、土砂崩れの恐れから黒いトン袋が何層にも積み重ねられ、駐車場を使えない。引き返して道路沿いの大きな駐車場に車を止めると、ちょうど『太平山5000日』の著者である奥村先生が、もう登り終えて帰るところに遭遇した。先生は私の一回りほど上だから、80代中盤になっても毎日この山に登り続けている超人だ。

駐車場はまだ土砂崩れの恐れあり

石仏も暑さにまいっていた
 今日は暑い。クーラーの効いた事務所に閉じこもってばかりいたので体力に自信はない。だから女人堂まで行って帰ってくるコースを想定していた。のだが、登り始めると、すぐに息が切れ、汗が噴き出してきた。予想以上に体力は落ちていた。それでも一人旅なので、休み休みながら3分の2ほど行ったところで、気力が尽きてしまった。女人堂の2百メートルほど手前で、引き返した。水が足らなくなったのが大きい。大量の汗をかいたせいで下山の足が心配になったこともある。とにかく蒸し暑く、山の清涼感はどこにも感じられない。ほとんど修行僧のような苦行の山行だ。
 登るときよりも下山では足がふらつき、途中4回ほど休憩をとりながら、下山した。
 コロナ禍、大雨、猛暑、腰痛(脊柱管狭窄症)の嵐の中で、体力はかなり落ちているのがはっきりした。山は遠くなるばかり。でもそう簡単に諦めはしない。その第一歩のつもりだったのだが、そう甘くはなかった。地道に一からやり直すしかない。
 午後からは車を新入社員が使う予定になっているので、汗だくの身体のまま、温泉にも行かず帰宅。家でシャワーを浴びてようやく人心地が付いた。きつくて情けない山行だったが、下山後の爽快感はある。やっぱり山はいい。

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