中岳・ひとりで登る静寂の山が好き |
[太平山中岳・951m・秋田市――2024年5月18日] |
今日は中岳だ。ということはオーパス側からの登りになる。 毎週末、前岳か中岳か、交互に登る習慣がつきつつある。 中岳山頂まで2時間10分。まあこんなものだろう。相変わらず登山者は少なく、うるさいクマ鈴やラジオ騒音もなく、景色の中に溶け込むように静かにマイペースでゆったり登ることができた。よくTVで富士山登山の渋滞行列登山を見ると、いったい何が楽しくて山に登っているんだろう、と首をかしげてしまう。前の人のお尻を観ながら延々と何時間も坂を上るのは苦痛以外の何物でもない。何よりもどこにも静寂がないのが辛い。あんな山は頼まれても登りたくない。 ヒメシャガはもう終わりに近づいていた。そして逆に緑が濃くなっているのが木漏れ日の山道へのコントラストを見てもわかる。女人堂までは1時間、歩くペースがわかってきたので、ここで中岳まで行けるかどうか、冷静に判断できる。今日のペースだと問題なく中岳まで行けそうだ。登っていて一番気になるのは後方からくる登山者の鈴音だ。これが聞こえると心中穏やかならざるものがあり、追いつかれまいとペースを上げたり、後方が気になってしょうがなくなる。だから、後ろから登ってくる人がいると、その場に立ち止まり、道を譲ることにしている。とにかく一人、静かにマイペースで登るのが一番だ。 中岳の最後の急坂も息が上がらずに踏破できた。眺望のいい場所に陣取って、ランチ。前回失敗したカツどんは、今回は事前にちゃんとチンした「のり弁」に変えできた。のだが、今回もご飯がボソボソで、ランチは2回連続でチョンボ。
翌朝、若者の大声で目覚めた。家でカミさんの高校生のための朗読教室に通ってくる子たちだ。昨夜、寝たのは24時ころだから10時間近く寝ていた計算だ。もう週一の山は慣れたので筋肉痛も疲労感もほとんどなくなった、とうぬぼれていたが身体は正直だ。熟睡である。それでも前後不覚で爽快な朝の目覚めというのは、気分がいい。そっと家を抜け、事務所に行って、歯を磨き洗顔、ようやくいつもの朝に戻った。 |