No.314
2カ月ぶりの前岳は下りでヨレヨレ
[太平山前岳・774m・秋田市――2024年9月14日]
 7月13日に登ったのが最後だから今日の前岳はちょうど2か月ぶり。前岳に入っていないが白馬のハイキングや毎日の散歩やストレッチは欠かさず続けている。でもやはり前岳は別。ハードな山だからだ。 
 金山滝から登り始めた。登山口に大型の機械が入って工事中だ。土砂崩れの補修で、本格的な鉄柱が道路沿いに何本も打ち込まれていた。温度は27度、風はなく薄曇りで、少し蒸し暑い。筋トレのおかげで、登りはきつさも暑さも感じることなく、淡々と高度を稼いでいく。4番石像まで1時間、いいペースだ。それよりも登山者に誰も会わないのはどうしたわけか。今日は3連休の初日。この暑さを敬遠したのだろうか。4番を超えてからも体調に変化はない。暑さもきつさもない。淡々と登り続けられるのが自分でも怖いほど。2時間ちょっとで山頂にたどり着いた。ホッとする。ザックにつけたオニヤンマのフィギュアは役に立ったのだろうか。登りの途中で「スズメバチ注意」の看板が出ていたから、もしかすると役に立ったのかもしれない。

登山口には重機が入っていた

ザックのオニヤンマ
 さすがにトレーニングはウソをつかない、とほくそ笑んだのだが、地獄は、実は下山に待っていた。半分ぐらい下りてきたところから急に身体が重くなり、汗は滝のように流れ、両足が悲鳴を上げだした。のどの渇きもとまらない。登るときは心肺で登り、下りは筋力で下る、というのが常識なのだが、もろに筋力不足だ。身体がなまっていると、付けは下山にすべて押し寄せる。「登りはスイスイ、下りはヨレヨレ」というやつだ。

 信頼できる筋の話だが今年の山はブナが豊作のようだ。そのため去年のように冬眠前にクマが人家に出てくる機会は少なくなるのではないか、という説だ。そういえば先日、NHKのローカル番組で「イノシシ被害」について、キャスターとおぼしき若い女性が、「クマの狩猟文化の豊かな秋田で、イノシシの捕獲に関してその技術がないのに驚いた」としたり顔で語っていた。もともと秋田にはイノシシはいない。その存在が確認されたのは暖冬化の進んだここ10年のこと。存在しない動物に「わなを仕掛ける技術」は育ちようがない。北海道と同じように雪のため秋田にイノシシは棲めなかったのだ。

backnumber  ◆ Topへ