No.65
罰ゲームなしで、大曲西山を縦走する
[姫神山・神宮寺嶽・伊豆山(大曲市)――2014年5月3日]
 GW中は他流試合をすることにした。毎週欠かさずあるルーチンのモモヒキーズ山行の合間を縫って、違うチームの人たちと登る山行も必要だ。緊張感のある新鮮な空気も味わいたい。
 大曲西山縦走登山は、「山の学校」の会員でもあるMさんが、この時期だけ主催するイベントだ。真昼と西山はMさんのフィールドだ。
 春の妖精が咲き乱れるこの時期の姫神山(387m)、伊豆山、神宮寺嶽(277m)の三山を「大曲西山」と称し、これを縦走する。小さな山だが複雑に入り組んでいるので、地元のガイドがいないと三山をスムースにクリアーするのは難しい。
 この日の参加者は15名ほどで、ほとんどが地元の人たちだ。
 朝7時に大仙市姫神公園に集合、公園階段口から薬師神社、三十三観音をまわり姫神山山頂を目指した。多くのアップダウンがあり、けっこう足にこたえるコースだ。そういえば3、4年前、この西山縦走に初めて参加したのだが、ほとんど罰ゲームのような難コースばかりで、わざと通常のコースを外してアドベンチャーを楽しんでいる印象だった。ふだんは絶対に行かないような危険な崖を登る経験までした。2度とこの山はいいかな、とまで思ったほどハードだった。この時、参加者からクレームがあったらしくMさんは、「今回は普通のコースで縦走します。罰ゲームはなしです(笑)」とエクスキューズしていた。

花の山でもある

急峻な坂が少なくない
 姫神山を下り、伊豆山の登山口である伊豆山鳥居まで下りる。ここから登り始めると「接待場」と言われる場所に出た。以前、モモヒキーズで登った時、この言葉の意味が分からず首をひねったのだが、これは川を下るボンデンの担ぎ手たちが休む場所、という意味だそうだ。なるほど。
 ものの20分も歩くと伊豆山山頂だ。ここで短い昼食をとる。
 ここから一番高い神宮寺嶽へ向かう。ここまで来るともう一息だ。
 他流試合では収穫も多い。地元の人が「コシアブラの新芽は刺身で食うとバツグン」と言いだした。そんな話は聞いたこともない。半信半疑で食べてみると、本当においしい。山菜特有のエグミがほとんどなく、口中に清涼感が広がる。これは驚いた。モモヒキーズだけで登っていると、こういう知識は得られない。               
 西山縦走は目だって難しいコースはない。が走行距離が長い。アップダウンが多い。花が咲き乱れハイキングコース並のなだらかな山道も多いのだが、かなり疲れてしまう。今回も2番目の伊豆山で3,4名の地元の方がリタイアした。登り慣れている人でないと見た目よりずっときつい山なのだ。
 それにしても、3日前の男鹿三山に続き、今回も三山縦走。3日間で6座に登った勘定だ。
 今回は個人参加だがモモヒキーズのSシェフとTさんも同行してくれた。この3人で「かみおか温泉 嶽の湯」へ。天井も高く、清潔感のある明るい温泉だ。泉質はナトリウム・塩化物泉で無色透明。好きな湯だ。お湯につかりながら、来年も西山縦走の武者修行に来よう、と心に誓った。

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