愉しみは「山頂」よりも「山菜」 |
[東鳥海山(777m・湯沢市)――2014年5月11日] |
山の名前や印象をなかなか記憶できないタイプだ。でもこの東鳥海山だけは別。まだ2回しか登っていない山なのだが山容も山道もはっきり記憶に残っている珍しい山だ。以前、一人でこの山に登ったことがあった。表示板の多くが無残にクマにかじりとられていて怖かった。一人で来るべき山ではない、と強く思ったことと、麓にあるしゃれた山小屋風のコーヒー店で美味しいコーヒーを呑んだのが印象に残っている。麓の町にすらコーヒー店がないのに山中にこじゃれたコーヒー店があるのだから印象に残るのも当然だ。 今日の登山口は中山口だ。これは初めてのコース。一人で登った時は直登コースでエラクきつかったのを覚えているが、仲山口はつづら折りの典型的な初歩的登山コースで登りやすく、気持ちいい。おまけにこれ以上はない青空で、西には雪帽子をかぶった真っ白な鳥海山が顔をのぞかせている。
私自身は山菜にあまり興味がないが、この時期の山菜の美味しさは、やっぱり魅力だ。残留放射能の怖さもあるが、山菜の魅力に負けそうになってしまう。 自分で採るほどの「能力」もないので今回も他のメンバーから分けてもらった(家でそのコゴミとコシアブラを調理。コゴミの胡麻和えとコシアブラのオリーブオイル和えをリーダーのSシェフに教えてもらった。コゴミの汚れ洗いは少し手間だったが2つともうまく調理でき美味しかった)。この時期の山行の愉しみは「山頂」ではなく「山菜」なのだ。 それにしても、GWは山三昧。岩谷山、男鹿三山、大曲西山三山、南郷岳に東鳥海山。さすがにこの頻度は疲れる(笑)。GM中に4度山行し登った山は8座。ピーク疲れだ。 事務所を離れ、仕事を頭から追い払い、雪と緑と荒い呼吸のなかに身を沈めるのはこのうえない快感だ。健康にもいい。でも先日、若い看護師(女性)と一緒に登ったら「あまり健脚だとボケたら徘徊老人になります」と言われた。実際に彼女の病院の医者が言っていたことなのだそうだ。頭も身体も同時に老いて行くのが「自然」なのだそうだ。 温泉は西仙北ぬく森温泉「ユメリア」。「ギバちゃんの部屋」がある温泉で、なぜかレストランには新潟の銘酒や「へぎそば」まである。経営者が新潟の人なのだろう。なかなか味のある温泉だ。 |