この山は自分にとって特別の山 |
[鳥海山・七高山(2229m・本荘市)――2014年5月31日] |
5月18日(中止)のリベンジを果たすため再度、鳥海山へ。年下の友人Sさんと2人だ。去年も七高山初登頂はSさんと2人だった。 朝6時、家を出発。天気はよさそうだ。1時間半で祓川登山口駐車場に到着。思ったほど駐車場に車が入っていない。天気のいい土曜日である、これは意外だ。 2週間前にきたときから2m近く雪が消えている。登山口の景観から推測しただけだが、もうまるで雪は解けている、と言ってもいいほど。1週間1mの割合で雪が消えている感じだ。 スノーシュ―をはくまでもないだろう、との判断から坪足で登り始めた。周辺を見回しても登山者はほとんどいない。みんな長い板をはいたり担いだ山スキーヤーばかり。登山者はどこに行ったの? と叫びたくなるほど。 いつものように8合目の七ツ釜避難小屋までは風もなくスイスイと1時間10分ほどで到着。青空が広がり、気持ちいい。ここまでは休憩も取らずに一気に駆け上った感じ。 小屋で10分ほどの休憩をとり、いよいよ本番だ。ここからが鳥海山の真骨頂。小屋から一気に傾斜はきつくなる。6本爪のアイゼンを付ける。若手(と言っても50代だが)のSさんは、いつもの半袖Tシャツ姿だ。寒くないのだろうか。さらにストックも使わず、哲学者のように腕組みしたまま、もくもくと先頭を行く。小屋までは同じペースで付いて行けたが、小屋から上は付いて行くのがやっとだ。 周りに登山者は皆無、すれ違うのは山スキーの連中だけ。もう登山は時代遅れなのだろうか、と考えこんでしまったほどだ。 2度ほど休憩をとりながら舎利坂を通過。が、目の前に七高山頂上が見えてからが遠い。なかなかたどり着かないのだ。これもいつものことだが。わかっていてもつらい。 山頂は山スキーヤーたちでいっぱいだ。彼らは登ってしまえば、下りるのはものの20分もあれば充分。だから、すぐに下りるのがもったいないので山頂でゆっくり時間をつぶしている。 小屋から山頂までは2時間10分。もうかなり息が上がっているが足の痙攣はなし。絶好調の時でも、この山だけはどこかのポイントでピクピクと足に痙攣が来る。今回はそれがなし、自分的にはビッグニュースだ。 山頂でおにぎり2個だけの昼食をとる。風が強く、山頂でバーナーを持ち出し、ランチできる環境ではない。
山スキーヤーらは一仕事終えた安ど感で楽しそうだ。これからが彼らの愉しみの本番なのだが、登山者にとって下山はけっこうハードで危険も多い。急斜面にアイスバーン、ところどころに大きな口をあけたクレバスやら意味のわからない空洞が口をあけて待っている。 スキーではなく自分の足で下り出したのは、私たち以外には中年夫婦ひと組のみ。この夫婦もおっかなびっくりの下山姿勢で、まだ初心者かと笑って見ていたのだが、なんと私たちの下山時間の3分の一で下山したとのこと。尻スキーを使ったのだ。雨具やビニール袋でも持っていれば鳥海山の下山は尻スキーが圧倒的に早い。次回は絶対に尻に敷くものを持参してこよう。 というわけで下山もたっぷり1時間半かかった。雪質がザラメ状で実に下りにくい。でも登りに3時間20分だから、そのわりには下山に時間がかからないのがこの山の特徴だ。 登山口には鳥海山の雄姿を「観に」きただけの観光客の方々がけっこういた。そのうちのある人から、「山頂までどのくらいかかります」と訊かれた。「4時間もあれば大丈夫ですよ」と応えたら、「えッ、あんな近くに見えるのに、そんなん時間かかるの」と驚かれてしまった。登山口から七高山はすぐそばに見えるもんなあ。 ブナ林の中にあるレストランの雰囲気も最高だし館内全体がシンプルで清潔だ。もしかして県内温泉ランキングのトップはココかな。 |