雨の中を「新登場の山」に登る |
[大石岳(1059m・仙北市西木地区――2014年11月2日)] |
大石岳といっても知らない人が多い。昔の山のガイドブックにも載っていない。調べてみると、平成14年ごろから測量や植林によって開かれた歩道が整備され、一般登山道としてデビューした「新しい山」。どうりで私の持っている古いガイドブックには載っていなかったわけだ。 登山の山として知られるようになって、まだ10年ほどしかたっていないのだ。昔から林業や狩猟の場として生活臭の濃い山だったのだから、一般的に知られていないのもムべなるかな。 国道46号線角館から国道105号に入り、下桧木内を経て西ノ又林道の終点が登山道入り口だ。山名の由来は、坂上田村麻呂に滅ぼされた山麓の賊軍・大石丸の伝説に拠る。遠方からみても山の頂がはっきりしない。平坦な山容なのだ。この山容だけから判断すると、なだらかなハイキングコースと勘違いしてしまう。そんな甘い山ではない。登山道が整備され、一般的な登山コースとなったとはいえ、いまだ登山客がそう多くないのは傾斜のきつい登りが連続するためだ。 今日は雨。朝はまだ小ぶりだが、午後からは本格的に降りだす予報だ。あきらかに雨の中の山行になるのはわかっていたのだが、「たまには雨の中の登山もいいのでは」という全員の合意の上だ。実際、山の雨はそう嫌いでもない。雨具でむれるのが最大の欠点だが、雨具を必要としない程度の雨は、大歓迎だ。 軽い気持ちで雨の装備をして登り始めたのだが、ずっと登りが続く。ひとつの坂が終わってホッとすると、すぐに次の坂。坂ばかりだ。一息つくたびに雨具を脱いだり着たりするのも面倒くさい。登山道は整備され、かなり標高が高い場所にも杉林が点在している。こんなところまで杉を植えるのか、と驚いてしまう。
お昼は山頂付近で採ったばかりのナメコ汁。美味しかった。秋の山はこれがあるからやめられない。 下りは1時間半。これだけでも登りの急勾配が想像いただけるだろう。 |