No.89
雪のない樹木ギャラリーは最後の秋の空
[房住山(409m・能代市――2014年11月30日)]
 房住山はすっかりモモヒキーズの定番。四季折々、行く場所に困ったらこの山、というほど「重宝」される山だ。標高の割に歩く距離が短くない。満足感があるし、途中にあるハイライト台倉の坂(通称ババ落とし)はスリリングだ。まるで3千m峰に登っているような気分を、この急峻な登りは味わわせてくれる。この傾斜は秋田の山の中でもベストスリーに入るのでは、と個人的には思っている。
 今日は観音橋登山口ではない、もうひとつの(名前を忘れた)登り口からスタート。ここから登るのは初めて。今月中旬の御嶽山が思わぬ雪で途中引き返し、先週の貝吹岳は、やはり雪で通行止めだった。秋田県南部はやはり豪雪地帯、2度も雪で跳ね返されてしまった。今回も雪が心配だったが県北地方はまだまだ余裕があった。房住山はようやく冬準備をはじめたばかり。どころか登りだすと空はピーカンの抜けるような秋の空になった。

冬なのにここはまだ秋

山頂小屋と青空
 ハイライトの「ババ落とし」を登り終わると、この山の愉しみのひとつである大杉とミズナラの大木のギャラリーがはじまる。1本1本が個性的で、その容姿の美しさと威容を競っている。以前にも何十枚もシャッターを切っているのに、まるで初めてあったような驚きにつられて、またまた何度もシャッターを押してしまう。季節がちょっと違っただけで樹木はまた別の表情を見せてくれる。この大木やユニークな樹木たちの容姿に比べれば、地元の人たち自慢の三十三観音像は、稚拙な小学生のお絵かき教室作品に見えてしまう(言い過ぎかなゴメンナサイ)。
 雪なしの上に好天、もったいないので頂上の展望台には入らず、外の軒下の階段で野外ランチ。お天気がいいと何もかもが順風満帆だ。
 温泉は五城目にある「小倉温泉」。清潔でコンパクト、泉質も好きなのだが、なぜかここにはシャンプーや石鹸が一切置いていない。シャンプーや石鹸はいつも持参しているので困りはしないが、他のメンバーにはタオル以外何も持っていかない人も多い。洗剤を置かない何か理由があるのだろうか。いつもここの温泉に入るたび、その理由を聞こうと思い忘れてしまう。

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