眺望は最高、雪質最悪のハードな山 |
[院内岳(760m・田沢湖町――2015年3月8日)] |
2週間ぶりの山。冬場はどうしても山行頻度が落ちる。行ける場所が限定されるし、なにより天候次第だ。そのうえ1月は青森、2月は沖縄、3月は名古屋と、長い出張が続いた。出張もできるだけ週末山行とバッテングしないように日程調整している。山行頻度が落ちる冬場に出張が集中しているのは理由があるのだ。 今日の院内岳は冬場の定番。ふだんは3〜500メートルクラスの山が冬の標高限界なのだが、院内岳はワンランク上の700m後半の山。このクラスになると雪山ハイキングと言うよりは冬山登山と言ったほうが正確だ。 登山口は田沢湖畔なので意識していなかったが、すでに280メートルの標高がある。去年もこの時期に登っているのだが今年とは雪の深さが違った。まさにオール白銀世界で、おまけに青空、サングラスをかけていなければネコ目になってしまうほどの照り返しで、目が痛かったほど。 今年は圧倒的に雪が少ない。もう雪も溶けかけていて、去年のような目に痛い白さが山からは失せていた。どんよりと重く湿ったザラメ風の雪質で歩きにくい。空だけは去年と同じピーカンの青空だ。 冬の秋田で青空をみるのは珍しい。ほとんど曇天の毎日なのだが、山に行くようになり逆に青空と出合う機会が増えたような気がする。冬場も抜けるような、インディアン・サマーを思わせる青空とよく出合うのは山独特の天候変化のためだろう。冬と雪と青空はよく似合う。
林道の分岐を過ぎるとスギ林が消える。ここからは急登の連続だ。すぐに他の人に先頭を変わってもらう。かなり疲れてしまった。右手に美しい田沢湖と雄大な駒ヶ岳がみえる。その見事な眺望がいっとき疲れを忘れさせてくれる。 頂上までは2時間半弱。雪のテーブルを作ってランチ。 下山中に太もも内側に痙攣。やはり登りの先頭ラッセルが「やりすぎ」だったのだろう。自分の筋力の限界を超えてしまったのだ。だましだましどうにか下山したが、同じようにラッセルを担当した長老のAさんもゴールまじかでひどい痙攣で立ち止まってしまった。いくら山行に慣れてきても、筋肉だけは正直だ。身体の信号機のような役割を果たしているのだろう。 |