山頂は雪なし雨なし雪割草 |
[保呂羽山(438m・横手市――2015年3月22日)] |
保呂羽山は去年の暮れにも登っている。短期間にさしたる理由もなく2回登る山は珍しいのだが、リーダーのSシェフが好きなのだろうか。かく言う私も好きな山なのだ、なにも問題はない。 登り口の少年自然の家周辺には雪がなかった。これでは「坪足」でも行けるのではないか、というメンバーの意見にしばし迷った。迷ったときは「面倒くさい」方を選ぶのが山では正解だ。スノーシュを履いて出発。堅雪だったら脱いで、担げばいいだけの話だ。 雪のない季節であれば登山口は山頂のすぐ近くにあり、ハイキングに絶好の山なのだが、登山というには高さが足りない。それが雪の季節になると登山口までの長いアプローチそのものが「雪山ハイク」の醍醐味になる。登山口にたどりつくまでたっぷり1時間ほどを要してしまうのが、魅力になってしまうのだ。 歩き始めてすぐスノーシュ―が正解だったことが分かった。雪が緩くて、たとえスノーシュ―を履いていても雪を踏み抜く箇所がいたるところにあった。 さらに驚いたのは、山頂付近に雪がまったくなく、すっかり夏道になってしまったことだ。麓に雪が残り、標高の高の山頂部に雪がない、というのも面妖な話だが、低山では日当たりのいい山頂部のほうが早く雪が溶けてしまうのだろう。
下りの山頂直下に雪割草が咲いていた。ピンクの色も鮮やかで、可憐さと妖艶さを併せ持つその華やかさが、雪解けしたばかりの地面に匂いたつようだった。眼福である。 |