No7
「キジ撃ち」慣れ、増える体重、初めての山
[高下岳1322m・岩手県和賀町―2012年11月11日(日)]
 ずっと雨の日が続いているのだが、今日の日曜日だけは雨が降らない。今年の大きな山の「最後」になるかもしれない。それにしてもまたしても4時起きの5時出発。集合場所のスーパーの駐車場から見上げる夜空(?)は神々しいほどの星空だった。三日月が青白く輝き、冷え冷えとした光を放つ北斗七星やオリオン座が目の前に瞬いていた。
 高下岳があるのは岩手県沢内村。高速道で湯田インターを降り、沢内村を抜けて、ようやく「高下口」の登山入り口にたどり着く。和賀岳と同じ登山口だ。参加者8名が全員はじめて登る山で緊張する。
 登りはじめはスギ林で、いきなり急峻な登りだ。30分歩いて赤沢分岐。身体が重く下腹に力が入らない。思い切ってここで「キジ撃ち」、とたんに身体が軽くなった。1時間ちょっとで高下分岐。ここから和賀岳と高下岳の登山道が分かれるのだ。和賀岳も登ってみたい。
 ここから急峻な坂が続くが平坦な山道も多い。疲れは感じない歩きやすい山だ。分岐からしばらく行くと右手に早池峰、薬師岳のきれいなピラミッドが見えた。驚いたのはブナの形がまるで秋田とは違うこと。秋田はスラリとした美女系だが、こちらは枝が複雑に入り乱れた魔女系。犬ブナというのだそうだ。日本海側と太平洋側ではブナの形もこんなに違うのか。ダケカンバの巨木も壮観だった。威厳と品格が備わっている。
 ブナと笹の二相林を超えハイマツ帯を調子よく歩きつづけるが、小さな山をいくつ越えても、また別のピークが出てくる。けっきょく3時間20分かかって、ようやく頂上へ。下山は2時間強。最近、みんなの下山スピードについていけるようになったのが、うれしい。
 登山口の2キロ手前で林道は工事中のため通行禁止だった。そのため登山靴のまま林道を行き帰りとも2キロ歩かなければならない。山は楽しかったが、この林道歩きが結構しんどかった。

ブナの形が秋田と違う

曇天に原色のウエアーは映える
 登山用のパンツがきつい。山頂で写った自分の姿が膨らんでいる。歩きはじめの身体の重さが……先週の四角岳・中岳登山でフイに気がついた。おれは太りはじめている。「遅いよッ」と突っ込まれそうだが、体力は落ちていないし、酒もそんなに飲んでいない。散歩や運動(山登り)はしてるし、悪いことは何もしていない。なぜだッ。押し寄せる不安の波が払しょくできない。
 で、この高下岳に登る3日前、思い切って体重計に乗ってみた。不安は図星だった。なんと想定体重よりも6キロもオーバーだ! デブの果実がヒタヒタと全身に実りはじめていたのだ。まったくうれしくない。
 即刻ダイエットを決意、目標を思い切って10キロ減に設定した。その日から昼をリンゴ半個にし、夜の定番の甘いアイスキャンディと間食を辞めた。
 つらつら考えるに、昼は外食でいろんな店に入って目いっぱい食べている。それにアイスキャンディ。これはお気に入りがあり夏が過ぎても夜に1本食べる習慣が定着したまま。生ミルクたっぷりの、これ以上カロリーが高くならないというほど甘い、森永の逸品だ。このアイスをもうかれこれ1年以上食べ続けている。間違いなくこれが元凶だ。
 他の甘もの間食もカット、朝晩はいままでどおり、昼とアイスのみをカットして、しばらくは効果を見る作戦。正直に報告しますので、よろしく。

backnumber
●No.1 草紅葉の海で、なぜかパエリア
●No.2 贅沢お昼と、お気に入り温泉
●No.3 白神のブナの森を彷徨う
●No.4 南八幡平の自然休養林を歩く
●No.5 巨木の森で、雨に追われて
●No.6 何が悲しくて、遠い県境の雨の山へ(+クマの話)

Topへ