はじめての朝市、風格の天然杉、泥土のババ落とし |
[房住山―409m(琴丘町・二ツ井町) 2012年12月2日(日)] |
朝8時集合だったが、途中で五城目町を通るので、有名な朝市を冷やかして行こうと朝7時の集合・出発となった。が、冬の朝市には逆に早すぎたようだ。8時前の五城目の朝市通りは閑散、2,3軒の店しか開いていなかった。それでも朝市初体験の私には、鯉やボラ、フナなどの川魚を売っている店などを冷やかして、まるで少年時代にタイムスリップしたように、新鮮な光景だった。 今日の山は山本郡と北秋田郡の境界を南北に走る丘陵の最高峰。といっても400mしかない。平安時代、天台山の名で開山し寺坊がたくさんあったところで、昔は「坊住山」ともいわれた信仰の山である。 登り口はたくさんあるが、今日は観音像コース。いつもは「ぼうじゅ館」横の鳥居から林道に入り、2キロほど上がった登山コースから登るのだが、この観音像コースのほうが定番のようだ。私は初めてのコース。 階段の急坂を登りはじめると、すぐに第2観音像。第一観音像は登り口の道路を挟んだ向かい側にあるのだそうだ。なぜ? 思っていたよりもけっこうハードな急坂続きだが、今回も先頭は私。リーダー・Sシェフの「いいリズムで最高です」というおだてに乗ってしまったためだ。急峻な坂からようやく一息つくと、今度はなだらかな、やさしい山道がしばらく続く。1時間20分ほどでハイライトの「台倉の坂(通称ババ落とし)」へ。横に迂回路もついているのだが、今日はあえてこのババ落しを攻めることに。珍しく今日は我々の他に2組のパーティがいて、いずれも楽な迂回路でなく「ババ落とし」を登っていた。ここがこの山のハイライトなのを知っているからだろう。ババ落としは泥土の急坂で、その上に落ち葉と雪が重なって、もろに滑りやすい。ロープに頼りながら、よじ登った。 ババ落としを登り終えると、見事としか言いようのない2,3百年ものの天然杉が。植林杉も混じっているのだが、天然杉だけはすぐにわかる。実直で風格と品性がその威容から漂っているからだ。 登りは2時間弱、下りは1時間半ほど。「ババ落とし」は危険なので下山は迂回路を。それで下りは時間がかかったのだ。 落ち葉の上にうっすら降り積もった雪はスパイク長くつでも滑って歯が立たない。数日前ホーマックで買った山菜採り用簡易アイゼン(980円)が役立った。この手のものを登山ショップで買うと軽く3,4千円する。高いだけでなく、余計な(無駄な)備品が付いていて、逆に壊れやすく、着脱も不自由だ。このアイゼンはめっけもの。山菜とり用のアイテムは登山用具に応用できるものが少なくない。 アイゼンのおかげで下山は快調。登山口についてアイゼンを脱ぎ、みんなに自慢しているうち傍らに置いたストック(片方)を忘れてきてしまった。気がついたのは温泉に入る寸前だった。これで2組あったストックのどちらも片方がなくなった。しばらくはメーカーも形も違うストックを組み合わせて持ち歩くしかない。かっこ悪いなあ。山登りを始めたころ心身とも余裕がなく、よく忘れ物をした。この頃は逆に余裕がありすぎて、「油断で忘れる」ケースがほとんどだ。
帰りは急いでまた空振りに終わった朝市の会場に立ち寄ったのだが、通りはもぬけの殻。朝市とは縁がなかった、とあきらめる。 もうひとつ、この近辺(八郎潟町)には名物がある。「畠栄のあんこ・ごま餅」(600円)だ。カミさんからも野菜類は買ってこなくていいが、せっかく近くまで行くのなら「畠栄のあんこ・ごま餅」を買ってくるよう厳命されていた。私以外にも全員が2箱ぐらい買ったところを見ても、その人気のほどがわかる。さらに、この手のグルメ情報にめっぽう強いSシェフの義弟が、「畠栄よりうまい元祖あんこ・ごま餅店が近所にある」というので、その店(「土橋」)にも寄ってみたのだが、すでに売り切れだった。それでもめげずに1箱だけ残っていた「おはぎもち」(600円)を買った。これでカミさん対策(ご機嫌とり)は万全だ。 |
●No.1 草紅葉の海で、なぜかパエリア |
●No.2 贅沢お昼と、お気に入り温泉 |
●No.3 白神のブナの森を彷徨う |
●No.4 南八幡平の自然休養林を歩く |
●No.5 巨木の森で、雨に追われて |
●No.6 何が悲しくて、遠い県境の雨の山へ(+クマの話) |
●No.7 「キジ撃ち」慣れ、増える体重、初めての山 |
●No.8 雹に雷とスパイク長くつ、是山の山 |
●No.9 賞味期限切れ食品がうまい、きれいな三角山 |
●No.10 生きものたちと出あい、ラーメンうまい雪の山 |