No15
桜のつぼみが大きいから、春は早い……
[一つ森公園・秋田市―2013年1月13日(日)]
 「靴納め」という言葉があったから、今日は「靴初め」とでもいうのだろうか。新しい年の初山行というかスノーハイキング。スパイク長くつに今季初のスノーシュー装着だ。最初の山行予定は男鹿真山(567m)だったが、昨日の不気味なほどの大雪に恐れをなし、急きょう近場の一つ森公園に変更になった。この雪ではスノーシューでも山は入るのは危険。さらに目的地に行くまでの車のアクセス(渋滞・通行止め)が不安だ。その点、秋田市中心部から南東にある一つ森公園なら車で10分もあればいける。ジョギングコースやロックガーデン、体育館や旧黒澤家住宅などのある市の総合公園で遊び場は豊富だ。バブル華やかなりし86年に開園、贅を尽くした広大な敷地のなかにある。市内中心部からは3キロ近く離れているせいか、市民というよりも近所の人たちのための公園といった位置に甘んじている感は否めない。いい公園なんだけどね。たぶんに立地に問題があるのだろう。日本赤十字病院のそばだから、これから人気が出る公園なのかもしれない。冬は特にいい。赤ゲラや小動物の宝庫でもある。
 今日の参加者は3名。昨日の大雪の状況からして妥当な人数だろう。
 人影の少ない公園をのんびりと歩いているうちに青空が見えだした。途中の桜の木をみてSさんがポツリ。「去年より桜のつぼみが大きい。春は早いね」

スノーシュ―そろい踏み

公園の中を散策
 毎年、この公園を散策している人の言葉にはリアリティがある。いや、この大雪では少しでも希望がほしい。多少の願望も含まれているのかもしれない。昨日の記録的な(一晩で積雪68センチ)大雪を目の当たりにすると、無理やりに探しても春の兆しを見つけたい、と願うのはだれもが同じだ。昨日は市内のどこでも雪かき作業をする人たちで、路上はにぎやかだった。どの顔にも、大雪の怒りをどこにぶつけていいのかわからない困惑と焦燥と不安の色が濃く、殺気立っていた。散歩をするのも怖いほどだった。
 ところがこの公園は静寂と青空と清廉さに満ちている行きの別世界。山頂というほどでもないが、自由広場に着くと公園のシンボルにもなっている中国風の建築物がある。友誼亭である。昭和62年に中国蘭州市との友好提携5周年を記念して建てられたものだ。約1時間半の散策だったが、うっすらと汗をかいて、気分は壮快だ。今年も一回でも多く山を歩きたい。
 温泉は近くにある「桜温泉さくらさくら」。レストランやゴルフ練習場も併設した2008年オープンの日帰り温泉だ。無色透明な強塩温泉だが入湯料の600円は高い。この温泉は何度か経営が変わっているので、オープン年月より施設は古いし、イメージにも新鮮さがない。
昼食もこのなかのレストランで。ダイエット中なので、家では昼ごはんはリンゴだけなのだが、今日はカロリーの高そうな塩タンメン。何ヶ月ぶりだろうラーメンなんて。この「昼抜き」状態が長く続いているので、こんなラーメンでも久しぶりの「ごちそう」だ。ダイエット中の食事の愉しみは夕食のみなのだ。ダイエット開始からもう2カ月以上たつので、だいぶ空腹感は薄らいできた(現在5キロ減)のだが、反動で夜に大食いしてしまうのだけは気をつけている。年なのだろう、高カロリーものは自然と敬遠するようになった。このところ毎日夕食は湯豆腐。急に好きになったのは湯豆腐の正式の食べ方をSシェフに教えてもらった。ようするに「かえし」をつくって豆腐のみを食するのだが、氷砂糖でつくる「かえし」がポイントだ。醤油に氷砂糖や酒、みりんを入れる。その炊き上げたものを2週間ほど寝かせたもの。蕎麦のあの「かえし」と同じだ。湯豆腐はとにかく「かえし」で食べる。野菜類は極力鍋には入れない。美味しく味わうには氷砂糖の甘さが絶対条件だったのだ。湯豆腐のうまさを知らずに死んで行くところだった。教えてくれたSシェフには感謝感激あめあられ、である。もちろん、今夜も夕食は湯豆腐だ。

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●No.1 草紅葉の海で、なぜかパエリア
●No.2 贅沢お昼と、お気に入り温泉
●No.3 白神のブナの森を彷徨う
●No.4 南八幡平の自然休養林を歩く
●No.5 巨木の森で、雨に追われて
●No.6 何が悲しくて、遠い県境の雨の山へ(+クマの話)
●No.7 「キジ撃ち」慣れ、増える体重、初めての山
●No.8 雹に雷とスパイク長くつ、是山の山
●No.9 賞味期限切れ食品がうまい、きれいな三角山
●No.10 生きものたちと出あい、ラーメンうまい雪の山
●No.11 はじめての朝市、風格の天然杉、泥土のババ落とし
●No.12 雪と風とツェルトとストック
●No.13 「靴納め」はダブル山行、かててくわえて忘年会
●No.14 これが今年最後の山行です、信じてください!

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