No23
青空、中岳、ひとりぽっち
[太平山中岳(952m・秋田市)―2013年3月17日(日)]
 冬場は毎週、近場の山や公園をスノーハイクするのが定番になっているのだが、今日は2週間ぶりの山。先週行く予定だった「一の沢山」(河辺)が前日からの暴風雪注意報で中止になったせいだ。ケータイ不携帯のため、私だけに連絡がつかず(いちおう持ってはいるのだが旅行以外使わない)、わざわざ当日、家までリーダー・Sシェフが中止を知らせに来てくれた。申し訳ない。
 そんなわけで二週間ぶりの山行なのだが今日は地元・太平山前岳。Sリーダーが用事で行けなくなったため、現地の登山道前駐車場集合の「自由参加」。車の手配や参加者リスト、会費などもなしの、いわば個人の自由意思で参加を決めていい山行である。あらかじめ参加者は小生と、小生の大学の先輩であるF女史の2名と聞かされていたが、駐車場に行ってみると、誰もいない。ま、こんなことはしょっちゅうある。気を取り直し、ひとりザ・ブーン前から前岳目指して登りはじめた。
 スキー場の横の雑木林を45分で抜け、前岳登山口へ到着。ここから女人堂までは急峻な坂道が続く冬の本格的な登山コースだ。ここはいつ登っても、けっこうきつい。  
 雲ひとつない青空だ。雪はアイスバーンのように硬く引き締まっている。アイゼンを忘れたことを悔やんだが、先行者の踏み跡がきっちりあるから、スパイク長くつの坪足でも充分だろう。
 100m間隔で登山者がいた。青空に背中を押されて、あわてて駆け付けた人もいるのかもしれない。45分で女人堂、そこからさらに15分で前岳山頂到着。ここで昼食を取って下山する予定だったが、後続の登山者たちは当たり前のように、そこから中岳に向かう。で、なぜか自分もフラフラと予定を変更し、中岳へ歩きだしてしまった。これも青空が背中を押したとしかおもえない。身体が軽かったせいもある。
 中岳までは45分。さすが1000m弱の高さのある頂上付近はかなりの冷え込みで、色鮮やかな青空と樹氷と純白の雪が迎えてくれた。
 やっぱり来てよかった。2時間以上かかる本格的な雪山登山ができ、この充足感。寒いので昼食は女人堂まで下りて、とることに。

この台形が中岳頂上

筆者の右肩に見える白い三角が太平山奥岳
 女人堂ではたくさんの人たちがご飯を食べたり、休憩を取っていた。なかに一人ポツンと離れた場所でご飯を食べているF女史を発見。駐車場の場所を間違えて小生と合流できなかった、とのこと。彼女はザ・ブーン口から登る自信がないので、わざわざ金山滝登山口まで移動して、そこから登ってきたという。
 2人で仲良く昼食を取り(小生はいつものマルちゃん正麺)、2人で下山。お互い車をおいた登山口が違うので下山ルートも違うのだが、バレンタインデーでいただいたチョコレートのお返しを渡す必要があり一緒にザ・ブーン側に下りてもらうことにした。のだが、下りているうちに分岐を間違え、ドジなことに金山滝ルートを下りてしまった。恥ずかしい。下山時間は1時間10分ほど。それにしても金山滝コースは山の斜面が南側に位置しているのだろうか、雪が消え、夏道が顔を出していた。堅雪で覆われたザ・ブーン側斜面とは大違いだ。急峻な坂道もなく楽なコースだったが、木々や泥土、杉の葉が、雪と混じりあって、お世辞にもきれいな山道とはいえなかった。
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 F女史の車でザ・ブーン駐車場まで送ってもらうことになり、そこでお返しのカルフォルニア・ワインを渡し、温泉はザ・ブーン。今日日曜日なのに珍しくほとんど客がいなかった。大きな浴場を独り占めである。なんだか久しぶりに本格的な登山をした気分で、ゆっくりと長湯で筋肉をほぐした。
 体重は9キロ落ちたが、最近は便通が悪くなった。これはダイエットの影響なのか。いや痛風のために服用している薬の影響なのか。尿酸を溜まりにくくするために強制的におしっこで水分を排除する薬だ。それを服用しているの水分不足になり、便が堅くなってしまうのだ。もちろん食べる量が減ったこともあるのだろうが、これって素人考えかなあ。
 温泉で体重を計ってみるが、朝計った数字と同じ。かなりの距離を歩き、体力を使ったのだが昼御飯もたっぷりとった。ので、差し引きゼロといったところなのだろう。
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 ダイエットを始めて5カ月目に突入した。月毎2キロのペースで順調に体重は落ちている。といっても無理な節食や糖質の制限をしているわけではない。何度も言っているように、昼の外食を辞めてリンゴにし、夕食後の甘ものを食べない、というだけだ。昼に食べていたのは外食ファーストフード系のメン類が多く、デザートは大好きな森永ミルクアイスだ。今から考えると、どちらもとんでもないカロリーオーバーだったのだが、その証拠に2つを辞めただけで、体重はぐんぐん落ちだした。朝ごはんも夕食の晩酌も、昔と何も変わらないように食べているのに。
 いや逆に、ダイエットをはじめてから山の仲間やジャーナリスト志望の大学生たちとの合コンは増えている。この中岳の前日も、「接待用の飲食店調査」と称してSシェフを同行、ある店に出かけて味見飲食をしていたし、前の週にはモモヒキーズの今年初めての外での?み会もあった(山行後の事務所宴会とは別)。
 こんなときはダイエットは忘れて、ここぞとばかり好きなものを食べ呑む。でも自然と食べる量は以前より少なく、お酒も意識はしてないのだが糖質の少ない焼酎やウイスキーが多くなっている。
 落とす体重の目標はとりあえずは10キロなのだが、ここにきてほぼ目標は達成できそうだ。でもここで辞めるとリバウンドが怖いので、とりあえずはもう5キロ、ゆっくり時間をかけて落とすつもりだ。 

backnumber
●No.1 草紅葉の海で、なぜかパエリア
●No.2 贅沢お昼と、お気に入り温泉
●No.3 白神のブナの森を彷徨う
●No.4 南八幡平の自然休養林を歩く
●No.5 巨木の森で、雨に追われて
●No.6 何が悲しくて、遠い県境の雨の山へ(+クマの話)
●No.7 「キジ撃ち」慣れ、増える体重、初めての山
●No.8 雹に雷とスパイク長くつ、是山の山
●No.9 賞味期限切れ食品がうまい、きれいな三角山
●No.10 生きものたちと出あい、ラーメンうまい雪の山
●No.11 はじめての朝市、風格の天然杉、泥土のババ落とし
●No.12 雪と風とツェルトとストック
●No.13 「靴納め」はダブル山行、かててくわえて忘年会
●No.14 これが今年最後の山行です、信じてください!
●No.15 桜のつぼみが大きいから、春は早い……
●No.16 彷徨っても漂っても、頂上は遠い
●No.17 動物の足跡がないのは、「なまはげ」がいるからだ
●No.18 どんな山でも、なにか新しいことを学べるもんだ
●No.19 「山があるんで、お先に」って言ってしまった夜
●No.20 大滝を見にスノーハイク、帰りは古民家見学
●No.21 冬は近場にこそ遊び場がある+ついにシュールストロミング開缶!
●No.22 山頂で野点、そうか今日は「桃の節句」か

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