地元の人と登れば、山の表情が違って見える |
[伊豆山(208m)・姫神山(387m)神岡町――2013年12月8日] |
以前、大曲市の山サークルの人たちから声をかけていただいて、姫神山、伊豆山、神宮寺嶽の3つを縦断したことがあった。小さな山ばかりなのに、けっこう疲れて、ハードな山行だったことを覚えている。車に乗って国道を走ると、いつもこの3つの山が見える。そのたびにあのときの山行を思い出してしまう。 今回は神宮寺嶽へのアクセスに問題があり、伊豆と姫神の2つの山を横断することになった。すごい傾斜の、ストックが使えない登りがあるのは、たしか神宮寺嶽だった。残念。 小さな山とはいうものの、山名の由来一つとっても古い歴史や風格を感じさせる山々だ。姫神は陸奥の豪族・安倍貞任の城があったところだし、ドイツの建築家・ブルーノ・タウトがその冬景色を激賞している。 最初は伊豆山から登り始めた。30分ほどで山頂に立ち、神社に参拝、急いで下りて、そこからさらに車で姫神山の登山口まで移動する。 姫神も1時間ほどで山頂にたどり着くが、坂の途中で一人登ってくる地元の登山者と会った。昔、3山を縦断をした時のリーダーMさんだった。この山はMさんの散歩コースなのだそうだ。 その後は、Mさんの案内でいろんなことを教わりながら下山。その山を知り尽くした人と登る山は格別だ。その言葉の端々から山の違った表情がたち現れてくる。
いつもより長風呂を心がけて身体を温めたのにはわけがある。このあと、温泉の近くにある神宮寺の「刈穂酒造」へ蔵見学にお邪魔する予定なのだ。酒蔵はひんやりしている。風邪をひくと大変なので、長湯で身体を温めておこうという魂胆だ。 神岡町にある酒蔵「刈穂」は久しぶりだ。いつ来ても清潔でよく片付いている。 昔、よくこの蔵に県内外の人を案内した当時のことを思い出した。まだそんなに有名ではなく全国区になる前のことだ。 蔵の奥には昔ながらの六つの船(もろみをしぼる箱)があった。京都の有名な料亭の主人Hさんを案内した折、彼はこの船をみて驚愕、自分の店のプライヴェート酒に「六舟」と名付け、この船を残すように懇願した。これがきっかけで刈穂の大ヒット商品「六舟」は生まれたのだ。Hさんが訪ねた当時、酒蔵ではこの古臭い船を廃棄するための準備に入っていて、もうほとんどタッチの差だったのだが、Hさんの執念が実って保存が決まった。廃棄を思いとどまった 酒蔵の見識も称賛に値する。 その船がまだちゃんと残っていて現役で活躍をしていた。 ちょっぴり昔を思い出し感傷的になってしまったが、もう20年近く前の話だ。 |