No.55
体調はいまいち、侮れない高尾山
[高尾山(383m・秋田市雄和)――2014年2月9日]
 一月は結局、男鹿真山一座だけ。2月こそは毎週欠かさず冬山ハイクにいそしみたい。と思っていたのだが、2月2日恒例の森吉山樹氷ハイクは悪天候のため(猛吹雪)、観光コースを2周しただけで帰ってきてしまった。
 体調が回復しても天気だけはどうにもならない。体調は、風邪のために十分な休養と栄養を摂ったのが功を奏したのか、ここ数年悩まされていた肩痛(寒くなったり、お風呂後に首筋が冷えて凝り固まる)症状がピタリと消えた。不思議なこともあるものだ。そういえば山では起きないのに、普段寝ているとき頻繁に襲われる足のコムラガエシも、このところめったに起きなくなった。疲労が原因だったのかもしれない。
 1月から毎土曜日、河辺にある「ユフォ―レ」で通ってストレッチするようになった。これも効果を上げているのかもしれない。いずれにしてもみんな怪我の功名というやつだ。

 森吉山は消化不良だったが、今回は高尾山。秋田市にある小さな山というか公園だが、冬は絶好のハイキング コースになる。雪のない季節は山頂まで整備された道路を車で行ける。
 それが冬になると道路はすべて閉鎖、ほとんど通る人はいなくなる。
 この道路(R341)に沿って登っていくのだが、踏み跡がないので雪が深い。特に今日の雪は湿っぽくて重い。ゆるやかな車道を周りの景色を楽しみながら登っていく。眼下に雄大な雄物川が蛇行している姿が見える。去年登った時より建物や標柱が高く見えるのは積雪量が少ないせいだ。緩やかな国道を登ること1時間半、2.3キロの行程でようやく登山口の大鳥居に到着。ここからが登山道で本番だ。高尾神社のある山頂に通じる大鳥居からは急な階段があり、これがきついのだ。去年も青息吐息だったが、今回は去年より雪は少ないとはいうものの、やはり登りに2時間かかってしまった。汗が噴き出してくる。いつものことながら、この山は侮れない。

この鳥居が高尾の登山口

森吉の樹氷も吹雪の前ではかたなし
 体調は回復したとはいうものの、ストレッチをして気が付いたのだが、去年寝違えて痛めた右ひざから、いまだに重苦しい感じが抜けない。普段の散歩では何の問題もないのだが屈伸をすると途端にブレーキがかかったように右ひざの周辺が固まってしまう。それでもまあ痛みがあるわけではないから、我慢はできる。
 下山は山頂からいったん公園まで下りて四阿でランチ。最近は登っている最中に腹が減ってしょうがない。3,4年前までは疲れが勝って昼の食事がのどを通らなかったことを思えば、山にずいぶんと慣れた気がする。なんのかんのいっても山に登り始めて10年近い歳月がたってしまった。まだ1人前とはとても言えないが、初心者からは脱したといってもいいころではないかと思っている。

 温泉は「ふるさと温泉 ユアシス」。源泉かけ流しの泥色のお湯だが、浴後、1時間たっても身体がポッカポカ。すごい効用だ。これだから温泉通いはやめられない人が多いのだろう。山がきついと、その分、温泉が楽しみになる。

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●No. 1 草紅葉の海で、なぜかパエリア
●No. 2 贅沢お昼と、お気に入り温泉
●No. 3 白神のブナの森を彷徨う
●No. 4 南八幡平の自然休養林を歩く
●No .5 巨木の森で、雨に追われて
●No. 6 何が悲しくて、遠い県境の雨の山へ(+クマの話)
●No. 7 「キジ撃ち」慣れ、増える体重、初めての山
●No. 8 雹に雷とスパイク長くつ、是山の山
●No .9 賞味期限切れ食品がうまい、きれいな三角山
●No.10 生きものたちと出あい、ラーメンうまい雪の山
●No.11 はじめての朝市、風格の天然杉、泥土のババ落とし
●No.12 雪と風とツェルトとストック
●No.13 「靴納め」はダブル山行、かててくわえて忘年会
●No.14 これが今年最後の山行です、信じてください!
●No.15 桜のつぼみが大きいから、春は早い……
●No.16 彷徨っても漂っても、頂上は遠い
●No.17 動物の足跡がないのは、「なまはげ」がいるからだ
●No.18 どんな山でも、なにか新しいことを学べるもんだ
●No.19 「山があるんで、お先に」って言ってしまった夜
●No.20 大滝を見にスノーハイク、帰りは古民家見学
●No.21 冬は近場にこそ遊び場がある+ついにシュールストロミング開缶!
●No.22 山頂で野点、そうか今日は「桃の節句」か
●No.23 青空、中岳、ひとりぽっち
●No.24 石仏に村人はどんな思いを託したのだろうか
●No.25 冬限定、地図に名前のない山に登る
●No.26 登山道のないやぶ山で、昆虫になる
●No.27 ダブル登山で、県北の春山に酔う
●No.28 GWは雪の回廊を抜け、強風の山頂に立つのが夢
●No.29 街から7キロ先に、千メートル級の山があるの?
●No.30 下水掃除と宮沢賢治とアイゼン登山
●No.31 青空・無風・トラブルなし。雑魚10匹より大物1匹
●No.32 みんな嫌がるけど、オレは好きだヨ、東山
●No.33 週末連続登山で、体力は大丈夫か、ジブン
●No.34 地元のプロと一緒だと、山歩きは百倍楽しい
●No.35 ブナと滝のシャワーを浴びて、少し元気になってきたゾ
●No.36 あれッ、なんだか人並みに体力がついてきたかな
●No.37 雷に追われ、山小屋泊まり、ガスっても岩手山は美しい
●No.38 県内最強のタフな山で、野立の誕生会
●No.39 中央アルプスで観光登山、それもまた楽し
●No.40 面白みはなくても、一度は登ってみたい虎毛山
●No.41 世界遺産の山で、会うのはへんなオジサンばかり
●No.42 ずっと踏破してみたかった、歴史の古道
●No.43 早池峰の、代替がきつかった、岩の山
●No.44 知っていそうで、知らなかった駒ヶ岳
●No.45 ストックを、持ち逃げされた秋の山伏
●No.46 侮ってしまった! やっぱり太平山系はきつい
●No.47 この山には、もう来られないかもしれない
●No.48 山よりも、ランチと温泉が楽しいこの季節
●No.49 晩秋の雪山は、みごとな小春日和
●No.50 今年もまた、やってきたリンゴ狩りの山
●No.51 33体プラス番外9体、石仏訪ね完全踏破
●No.52 地元の人と登れば、山の表情が違って見える
●No.53 今年最後の山は、懐ひろい森山へ
●No.54 さあ、今年もいよいよ登り始めだ

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